45) すみ肉溶接継手の疲労強度に対する腐食衰耗の影響について
湯浅通史、渡辺富雄(海事協会)
すみ肉溶接継手に関して、腐食衰耗による板厚及びすみ肉部の減少を模擬した試験片の疲労試験を行い、継手の疲労強度に対する腐食衰耗の影響について検討した。十字すみ肉継手の引張り疲労強度及び側面すみ肉継手のせん断疲労強度はいずれも板厚及びすみ肉が減少するとかなり低下することがわかった。さらに、大型ばら積貨物船のホールドフレームのウェブ板厚及びすみ肉脚長に関する規則改正について検討を行い、疲労試験の結果からこの改正によりすみ肉継手の疲労強度がかなり向上することを示した。

すみ肉溶接継手の5×105回等価疲労強度
46) A Study on Protection Potential Monitoring System for a Large Scale Floating Structure
Y.Huang(広大),M.Iwata(広大),T.Motomura(三菱重工)
For a floating oil stock tank, both trend of the corrosion protection(CP) system and some essential correlations in the electric field, which are necessary for operating a protection potential monitoring system, are clarified through simulating analyses.Therefbre,a design and maintenance integrated(DMI) approach for the CP system of a large scale floating structure is proposed.

Transitions of both the remainin g anode and the cathodic protection state of the oil stock tank in seawater
47) ローカルアプローチの適用による構造用鋼の動的破壊靭性評価―破壊制御設計へのローカルアプローチの展開(第3報)―
南二三吉、豊田政男、森川潤、大村剛(阪大)、橋田知幸(片山ストラテック)、有持和茂、誉田登(住友金属)
Weibull応力によって評価された破壊抵抗値は歪速度や試験温度の影響をほぼ受けない材料持性であることを示し、この特性を利用して、ある一温度での静的靭性試験結果から動的破壊靭性が予測できることを示した。

静的靭性試験結果から推定した動的破壊靭性の温度依存性
48) 線状加熱における加熱時のガス流場の近似解法に関する研究
冨田康光、橋本聖史、大沢直樹、新海信隆、金田厚彦(阪大)、吉川光昭、萬雅史(住重)
線状加熱による板曲げ作業の自動化を行なうためには、線状加熱に伴う物理現象を解析的に明らかにする必要があるが、任意の加熱条件下での鋼板への入熱量を決定する手法は確立されていない。本研究では、固定熱源による鋼板の加熱実験結果と、非燃焼流体の強制対流伝熱解析結果を比較することにより、線状加熱における加熱時のガス流場を近似的に求める計算方法について検討した。実験結果と計算結果を比較すると、本研究の近似的な解析法でも、鋼板表面近傍のガス流体の温度分布が十分再現できることがわかった。

ガス流場の温度分布の解析結果
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