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48) 画像情報を利用した潜水機の自動目標追従(PAN、TILTカメラメカニズムを持つコントロール)(英文)

B.A.A.P.Balasuriya(東大院)、浦環(東大生研)

本論文は自律型潜水機(AUVs)がカメラのPAN、TILTの機構を利用して移動するターゲットを追従する、画像情報を利用したシステムを提案する。システムは、次の3つの部分に分けられる。

1] AUVに取り付けられたPAN、TILT機構を持つ市販のCCDカメラにより、2次元画像を得て、画像アルゴリズムにより対象の位置を見つける。

2] PAN、TILTの機構により、画像中の対象をあらかじめ決められたピクセルの位置に持っていく。この結果、カメラユニットはAUVの前方方向とは異なる方向を向くことになる。

3] AUVのコントローラは、潜水機を移動させることで機体の前方向にカメラユニットを戻す。

以上のシステムは、Twin-Burger2と呼ばれる東京大学のテストベットAUVを用いて、実験がおこなわれ検証された。画像アルゴリズムは、Max Video250という、画像処理ボード上で動かされ、これらのハードウェア上で提案するシステムは最大速度4cm/secで動く対象を追跡する処理に成功した。

 

49) 「概念―関連モデル」によるプロダクトモデリング

秦憲雄、浜田信郎、山下隆、小中清史(IHI)

造船プロダクトモデルには、ひとつの情報がいく通りもの業務の観点から参照・操作できなければならないことや、設計・製造の進捗にともなって対象となるオブジェクトが進化していくことなどの特徴がある。そのため、それらのすべてを満足するオブジェクトクラスの決定は非常に困難をきわめたものとなる。また、そのようにして、複数の観点から定めたオブジェクトクラス群に対して、さらに新たな業務を追加するなどの修正は、相当な努力が必要となる。

これらの問題を解決するため、本論文ではオブジェクトのデータ構造と処理を明確に分離した「概念―関連モデル」を提案し、さらにそれを適用した場合のデータ構造の概要を紹介する。

 

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「概念―関連モデル」のプロダクトモデル

 

50) 超大型浮体構造の撓み波動伝搬挙動と強度に関する基礎的考察(第3報)

坪郷尚(大阪府大)

前報に引き続き、長大マット型浮体式構造体の波浪中における波動伝播と周波数応答について考察する。まずVLFSを半無限長の梁にモデル化し、VLFS下の流場の固有関数、定在波について考察する。続いて議論を半無限平板モデルのVLFSに拡張し、波動の分散性の違いに起因する現象について考察する。また、VLFS下の流場の支配的な因子として進行波型の速度ポテンシャルを提案し、この速度ポテンシャルのみをVLFSに働く外力と考えた場合の波浪応答の簡易計算式を提案する。

 

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Horizontal Distance【m】

 

51) 超大型半潜水式浮体の構造応答特性と初期構造設計法の考え方

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前報で提案した超大型半潜水式浮体に関する、流力弾性と流体力学的相互干渉効果を厳密に考慮した数値解析法を用いて、コラム支持浮体とコラム・ロワ一八ル支持浮体の波浪中応答解析を行った。簡易モデルによる解析を用いて、得られた結果を解釈し、構造設計にとって重要な現象をまとめ、動的構造応答の改善法について述べる。最後にそれぞれのタイプの浮体の初期構造設計法のフローを示した。

 

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コラム・ロワーハル支持浮体モデル

 

 

 

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