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24) 浅喫水箱形浮体の波浪中弾性応答について

―その3、ユニット接合時の応答―

矢後清和、原正一(船研)

メガフロート技術研究組合が横須賀沖で実施している実海域実験に用いられているポンツーン型弾性浮体を長手方向に3分割したユニットを考え、それぞれをピン接合、梁接合した状態、または接合なしの状態における波浪中弾性応答特性を水槽模型試験および数値計算により検討した。

 

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水槽実験の概要

 

25) 浮体式人工島の流力弾性挙動の研究

大楠丹九大)、難波康広(九大院)

吃水が水平方向のサイズに比べて非常に小さい薄い板の形状を持つ浮体式海上空港の波浪中の曲げ振動の解析法を示した。この方法によると海上空港の曲げ振動は、水面波と本質的には同じ波として理解される。海洋波による空港の曲げ振動も波の屈折、反射の現象をもとに考えると理解し易いことがわかった。

 

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26) 長大弾性浮体の空気圧式姿勢制御(第二報)

―空気圧アクチュエータの特性及び水槽実験による検証―

馬寧、平山次清(横浜国大)

著者らは模型ベースで空気圧式制御システムを長大浮体の波浪中動揺の制御への応用を試みた。本報では水槽実験により装置の応答特性を検討した後、前報に引き続いて波浪中動揺制御シミュレーションを行った。実用化に向けて空気圧、浮体剛性の影響も考慮に取り入れ、制御法の有効性と問題点をより現実的に検証した。その結果、本システムを利用して、空気室に予め入れておいたクッション圧による波浪中応答低減効果が見られ、ユニット欠損時の姿勢回復と欠損状態における波浪中上下動の低減に有効のみでなく、長波の規則波に対し能動的な減揺制御に一定の効果が認められた。

 

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規則波中能動制御による上下動減少量とアクチュエータ空気圧の関係

 

27) 海水交換の数値実験と大規模海洋構造物による影響の検討

多部田茂、永野有一、萩原延泰(横浜国大)

内湾に大規模構造物を設置したときの環境への影響を評価する際に、その指標の一つとして海水交換率を用いることが考えられる。まず現地観測と再現計算の比較を行ったところ、数値シミュレーションによって得られた海水交換率は観測から求められたものとほぼ一致し、流況、塩分濃度分布等も定性的によい一致をみせた。また、水理実験との比較から防波堤などを設置したときの海水交換の変化が数値計算でも再現できることを確認した。さらに超大型浮体構造物が海水交換に及ぼす影響について数値実験によって検討した。

 

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超大型浮体が存在するときの残差流と濃度分布

 

 

 

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