日本財団 図書館


第5章 この調査事例におけるCNG車の実用性

 

貨物自動車運送事業における共同輸配送用にCNG車を導入した場合の走行性能や燃費等の車両性能に関する実用性、燃料充填等の使用上での実用性を調査するため、事業者及び運転手へのアンケート調査を実施した。また、試験車両6台の営業走行試験における燃費等の調査を行った。

 

5.1 事業者及び運転手による評価

 

(1) アンケート調査の概要

1] 調査時期

平成9年12月

2] 調査対象

CNG車の走行試験に協力している共同輸配送実施主体ならびにこれに参加している運送事業者を対象とした。23事業者にアンケートを送付し、21事業者から回答が得られた。(アンケート回収率93%)

3] 調査機関

(財)物流技術センター運輸低公害車普及機構

 

(2) 事業者による運転性、使用上の特性に関する評価

今回CNG車を導入した運送事業者からのCNG車利用に関しては次のような指摘があがった。

・1充填当たりの走行距離が短いため、遠距離輸送にはディーゼル車を使用せざるを得ない。

・燃料充填所が少ないため、運行地域が充填所に近い区域に制限される。

・充填所がコースから離れており、燃料補給頻度が高いため、運転者が乗車を好まない。

・燃料充填所の営業時間(一例として、9:00〜17:00)が限られているため、配送作業終了後の充填ができず不便である。

・燃料ゲージの圧力値が必ずしも残量を表示しているとは限らない(特に充填直後における変化が大きい)ため不安がある。

・排気ブレーキが装着されておらず坂道での運転がしづらい。

・発進時にエンストを起こしやすい。

 

(3) 営業走行試験における運転手の運転性評価

毎日の運行における、ディーゼル車と比較したCNG車の運転性を調査するため、エンジンの始動性、エンジン安定性、加速性能、排気ガス臭および運転席での車体振動について運転者による5段階評価を実施した。結果は運転日報に記入してもらった。(運転日報は資料集参照)なお、騒音については、事業者に対しアンケートによる調査を実施した。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION