2.3 まとめ
平成8年3月から平成10年10月まで共同輸配送にCNG車を供試し、営業走行試験を実施してきた。試験に用いた6台の車両の総走行距離は合計で291,962kmに達した。営業走行試験の遂行に重大な影響を与えるような問題の発生はなく、ほぼ予定通りに試験を完了することができた。
この試験により、共同輸配送にCNG車を用いた場合の試験車両6台の市場における営業走行に関する情報(燃料充填、燃費、走行距離等)が得られた。
各事業者の1日あたりの平均走行距離は約50km弱から180kmであり、共同輸配送の取扱い貨物の種類、配送条件及び配送地域等の相違によって事業者ごとに「ばらつき」がみられた。また、稼動時間、燃費にも同様な傾向がみられる。燃費は試験車両、走行距離、道路状況及び配送内容等によって、約4.2〜7.Okm/Nm3となっていた。
燃料の充填方法は、配送業務の終了後と配送途中の二つのタイプがみられた。これは、営業拠点または配送ルート上に燃料充填所の整備が不十分なためによるものである。
燃料充填間隔については、CNG車についての心理的不安感(走行途中における燃料切れ)によるため、短い間隔で充填を行う方法と、車載燃料容量と走行距離のバランスを考え行う方法との2つの傾向がみられた。
この営業走行試験において、特徴的傾向の一つとして、燃料充填に要する走行距離が1充填当たりの走行距離の約20%にのぼる事例がみられた。燃料インフラの早急な整備が望まれる。