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5 この調査事例におけるCNG車導入による環境改善効果

 

試験車両の営業走行試験結果および排出ガス測定結果をもとに、共同輸配送にCNG車を導入した場合の、NOx及びPM(粒子状物質)をはじめとする各種排出ガスの排出量削減効果について、共同輸配送実施による削減量と共同輸配送にCNG車を使用することによる削減量とに分けて試算した。あわせて、アイドリング時間を低減することによる環境改善効果をディーゼル車とCNG車についてD10・15モードを基準にして検討した。

試算結果を図5に示した。この試算条件では共同輸配送をしないディーゼル車と比較し、共同輸配送にCNG車を導入すると、地域環境に関する排出ガスに関して、NOxは約70〜95%、COは約19〜88%、HCは約37〜92%、PMはほぼ100%近く改善されることがわかった。CNG車の導入は、共同輸配送と合わせ特に、NOx、PMに大きな改善効果がある。

地球温暖化効果ガスとして、CO2、N2O、CH4について調べ、N2O、CH4の温暖化係数をCO2に換算して地球温暖化効果ガス排出量を試算した。その結果、共同輸配送をしないディーゼル車に比べ共同輸配送にCNG車を導入した場合CO2は、約22〜63%削減されると試算された。N2O、CH4の排出量は全換算CO2排出量の1%程度であった。

アイドリング時間が50%減れば、ディーゼル車の場合NOxは4%以上、CNG車の場合0.4%程度の改善効果がある。CO2排出量(燃料消費量)は、ディーゼル車の場合約3%、CNG車の場合約6%の改善効果がある。ディーゼル車のアイドリングストップによる環境改善効果はCNG車より大きいが、CNG車のアイドリング時の排出ガスは少ないため、アイドリング時間が大きい走行形態ではCNG車の方が環境改善効果が大きい。

 

図5 環境改善効果

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