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□COの排出は、ディーゼル・エンジン・トラックの場合に最も高くなっていますが、これは主に触媒を付けていないためです。アルコールとバイオガスで走行する自動車は触媒と相性がいいとみられています。触媒を付けずに比較されたとしたら、ディーゼルはおそらく最も低いCOの排出を示したでしょう。

 

□炭化水素の排出(合計)はバイオガスの場合に最も高くなっています。これは当該エンジンがオットー・エンジンであり、一部触媒の転換率がメタンに対して低いためです。炭化水素の排出の大半を占めるメタンは毒性がないため、メタンはNMHC(非メタン炭化水素)を与えることで炭化水素から取り除くことができます。しかしながら、NMHCを測定することは容易ではなく、その技術は炭化水素を測定するための2つの方法の使用に基づいており、この2つの測定値の差がNMHCの値ということになります。それぞれの場合で誤差の範囲が数パーセントになるので、NMHCのパーセントでのレベルは測定が非常に困難であるとみなされています。しかしながら、これらの計算において、NMHCは総炭化水素排出量の3%を占めると推定されました。アルコールを動力とするトラックは触媒を付けているとみなされるので、これらの排出ガスは非常に低いものでしょう。ディーゼルの場合は触媒は付けていないものとみなされます。

 

□予想されたとおり、NOxの排出はディーゼルの場合に最も高くなっています。アルコールとディーゼルの間の差はバスよりも大型トラックに関してより大きくなっていますが、おそらくこれは、これらのテストで使用されたトラックがEURO1エンジンを搭載していたためとみられます。アルコールとディーゼルの差は将来的にはほとんどなくなるものとみられます。バイオガスはNOxの排出が最も少ない燃料です。

 

バス

 

都市バスはほとんどの排出ガスデータがここ数年に作られた大型自動車のタイプからのものです。ディーゼル・エンジンの都市バスがこれらの結果の多くの部分を占めます。多くのテストがまた代替燃料で走行するバスについても実施されたため、他の範疇よりもこのタイプの大型自動車に関しての方が、適切な比較をするためのより多くの可能性を持っています。

非常に初期のエタノールを動力とするバスは、かなり昔の1980年代の始めに導入されたため、多くの開発が行われました。それにもかかわらず、大方の意見は、バスの排出ガス、とりわけNOxの排出をさらに減らせるかなりの可能性が依然としてあるということです。しかしながら、これはアルコール燃料への一層の集中を求めるものであり、すなわち、エンジンおよび自動車製造業者両方の使命です。もしその燃料の独自の特性がその組み合わせ自体にかかわってくれば、各燃料/エンジンの組み合わせは調整し、開発することが求められます。このことは自動的に行われるものではなく、払われた努力の結果としてだけ行われるでしょう。以下はいくつかの作成できる結論/意見です:

 

 

 

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