フランスにバイオ燃料を導入することに関するテストは、これまでのところ半商業的規模でのフリート・テストに限定されていました。これらのテストには3000台の自動車が含まれました(スウェーデンでの約700台と比較されます)。フランスのプロジェクトの大半は、さまざまなタイプの菜種メチル・エステル(RME)とエタノールをベースとしたエーテル(ETBE)の低い混合で大規模にテストされたバスに関連したものです。しかしながら、フリート・テストもまた、いくつかの都市で純粋なアルコールで走行する都市バスにより実施されました。
ガソリンとディーゼル両方へのバイオ燃料の強制混合の問題が1992年に提起されました。数年間延長されたテストで非常に良好な結果が得られたため、2000年からRMEをディーゼルと混合し、ETBEをガソリンと混合するという法律上の要請を導入するための決断が今なされています。その目的は、量でみて、2004年までにディーゼル消費量の5%をRMEが占め、ガソリン消費量の5%をエタノールが占めるというレベルに到達することです。
フランスは1992年以降バイオ燃料に税金面の支援を提供しています。これによりRMEとETBEのための多くの生産施設が建設されました。これらの新しい生産設備のいくつかは、石油会社と農業関係者の共同所有となっています。現時点で、年間生産高はRMEが32万トン、ETBEが23万トンとなっていますが、これらの量はバイオ燃料の強制混合が実施に移されれば増加するでしょう。
フランスのバイオ燃料プログラムは、フランスにおける他の初期の大規模な計画と同様、企業部門はごく初期の段階からすでに深く関与しているという前提に基づいています。国内の産業部門が適合することにもたついたとすれば、フランスはコスト削減の手段として国際的なパートナーを探すでしょう。
その他各国
フランスとスウェーデンは別として、欧州においてはバイオ燃料への関心はどこでも非常に低いものです。他のEU諸国においてもバイオ燃料のための開発プロジェクトはありますが、それらはRMEの使用と植物油に関連したものです。イタリア、ドイツ、ベルギーおよびオーストリアのような国々では、フランスと同様、バスやトラックおよびディーゼル・エンジンの乗用車のためのディーゼルに混合するために使用できる植物油を生産するための設備を建設しはじめました。税制の変更の結果として、このことはいくつかの欧州諸国の中で次第に価値のあるものとなってきています。生産されたバイオディーゼル(RMEと植物油)の総年間量は約60万トンと推定されており、フランスの分がこのうちのほぼ半分を占めます(Pilo C,1997)。
エタノールとディーゼルを混合するためにスウェーデンで使用されている技術(ディーゼルに乳化剤とともに15%のエタノールを混合する方法)はいくつかの点でオーストラリアのモデルに基づいています。オーストラリアでは連邦政府が数年にわたり、バスとトラックに関したフリート・テストに資金を提供してきました。これには混合され、既存の自動車で使用されたエタノールとディーゼルが含まれています。これらのテストは良好な結果となり、ディーゼルから天然ガス(現時点での主要な代替燃料)に変更することで可能とみられていたよりもさらに二酸化炭素の排出を減らす大きな可能性を実証したため、アルコールヘの関心が高まりました。