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Stockholm

 

バイオガスが現在Stockholmの下水処理場で大量に生産されています。このため、Stockholm Vatten ABはこのガスを自動車のための燃料として使う可能性の調査を開始しました。KFBおよびその他の支援によるパイロット・プロジェクトが、1995年にBrommaの下水処理プラントにおいてスタートしました。

ガス処理施設の稼動に関する若干の遅れの後、ガスを動力とした最初の自動車が1996年の夏にバイオガスの充填を開始しました。このフリートは急速に拡大し、1997年の末には約60台の自動車がありました(Volvo 850 Bi-Fue1、VW Golf、VW Transporter、BMW 316gおよび518g)。わずかな例外はありましたが、自動車はこのプラントがいったん稼動を始めると、希望する量まで充填することができました。ガス・エンジン自動車は非常によく機能し、運転手に好意的に迎えられました。自動車はその時間の80-90%をガスで走行しました。タンクのガスでは150-200kmしか走行できず、これは欠点とみなされています。タンクは急速に充填することができますが、パイプのノズルのデザインが異なり、時々うまく接合できないことがあります。

排出ガステストが3つの自動車製造会社、Volvo、BMWおよびVWからの5台の自動車について1997年に実施されました。テストの結果から、規制された排出ガスはテストされたすべての自動車について低いものであることが示されました。すべての自動車が現在の基準を十分に満たしていますが、この中の1台であるBMW 518はまた、2000年にEU内で提案されている最も厳しい許容値を満たしています(図7.7)。アルデヒドの排出は低く、ホルムアルデヒドの場合は、2-2.5mg/kmの最大レベル以内にあります。初期に確立された意見とは対照的に、この測定からアンモニアの排出は低いという結果が出ています。炭化水素の排出はまた、予想されていたよりも低いものでした。二酸化窒素の排出は15のうちのわずか3つのケースで検出されたにすぎません。

このプロジェクトはかなりの関心を呼びました。Stockholm環境自動車プロジェクトおよびZeus(環境にやさしい自動車の調達のための欧州共同プロジェクト)の両方がバイオガス自動車に大きな関心を示しました。現在の計画によれば、Stockholm市は近い将来に約200台のバイオガス自動車を運行させる予定であり、同様にStockholm地域においてガソリン・ステーションの充填ポイントでガスを配給するための移動式ガス貯蔵システムを予定しています。

 

結論

 

さまざまな燃料を含む、さまざまなタイプの自動車に関して、この国で実施された拡大実証テストの結果、多くの解決策が実際の運行条件のもとでテストされました。このことはさまざまな分野のユーザーの間にバイオ燃料と新しい燃料技術への関心を呼び起こすのに役立ちます。

 

 

 

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