アルデヒド、エタノールおよび酢酸のためのテストでは、ホルムアルデヒドの排出は触媒1のケースより触媒2のケースにおいてやや高いものでしたが、それは顕著なものではありませんでした。一方でアセトアルデヒドおよびある程度のエタノールの排出のケースでは、その差はより大きなものでした。他方、触媒2においては検出できるほどの酢酸は形成されませんでしたが、テストでは触媒1のケースで、はっきりと酢酸が形成されることが示されています。
技術開発作業とは別に、Svensk排出ガス技術社における老朽化テストと同様に、KTHで開発された新しいタイプの触媒のためのライフ・サイクル・コストの推定と並び、予備的ライフ・サイクル評価もまた実施されました。
EGR
KFBのプログラムの中で研究されたもうひとつの浄化の方法は、EGRあるいは排気ガス循環(Exhaust Gas Recirculation)として知られている排気ガスを循環させるための方法です。この方法はバイオ燃料のためにさらなる環境面の可能性を生み出すことができるように見えます。
EGRは新しい燃料と一緒に燃焼室に循環される少量の排気ガスと、二酸化炭素を多く含む排気ガスによる燃料空気の混合気の中の余剰空気の置換を含みます。二酸化炭素は熱を吸収し燃焼温度を下げますが、これにより窒素酸化物の形成を減らします。燃料混合気がエンジンの中で燃焼する時に、火炎温度を低くすることで、EGRが窒素酸化物(NOx)の形成を減らすことがその理由のひとつです。この効果はガソリン・エンジンに関して長い間使われてきましたが、一方で伝統的なディーゼル・エンジンヘのEGRの適用は、主にEGRの使用に関連して生じるスス成分の劇的な増加のために、突破口が見つかっておりません。しかしながら、圧縮点火による(改造されたディーゼル・エンジン)エタノールを動力とするエンジンのケースでは、燃焼と関連してススは形成されません。これはエタノールが硫黄を含んでおらず、単純な分子構造のためです。このため、設計の観点からは従来のディーゼル・エンジンより圧縮燃焼のエタノール・エンジンに関してEGRを使用する方がより簡単です。