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大型自動車のケースでは、我々はリーン・バーン・エンジンとして知られる希薄燃焼のの転換されたディーゼル・エンジンに最も注目しています(図6.2)。方でKFBプログラムには当量比2(Stochiometric)燃焼を使用するバイオガス・バス(UppsalaにおけるMAN社のバス)も含んでいます。しかしながら、2つのタイプのエンジンの間の差がどの程度大きいかについて、信頼できる評価は行われていないにもかかわらず、当量比の燃料-空気の混合は通常、より高い燃料消費につながります。しかしながら、一般的に当量比燃焼および3元触媒を持つエンジンは、リーン・バーン・エンジンより少ない排出ガスですむと述べられています。

2)当量比燃焼は燃料の:量と完全に適合した酸素の量を含みます。3元触媒を付けた当量比燃焼は近代的なガソリン・エンジン自動車に使用されています。

 

メタンガスは比較的高いオクタン価を持っており(純粋メタンに対し130)、高い圧縮比と高い効率を組み合わせることを可能にしています。しかしながら、ガス・エンジンはディーゼル・エンジンより低い圧縮比となっています。

規定のタイプの燃料を使用するために開発されたガス・エンジンは、比較的容易にその他の仕様のガスで走行するように適合させることができます。他のエンジンの変数はさまざまなタイプの規制部品を使い変更することができます。結果的に、既存のエンジンを天然ガスのような、その他のガス状燃料に関して使用することができるため、バイオガスのための特別なエンジンを開発する必要はありません。天然ガス・エンジンをバイオガスで走行するように修正することは、主として燃料の流れをバイオガスの成分に適合させることです。メタン成分の10%の削減はエンジン出力の0.5-2.0%の低下につながるでしょう。しかしながら、これはしばしば充填圧力の増加により相殺することができます。

ガスを動力とするオットー・エンジンとディーゼル・エンジンの間の比較はガス・エンジンに下記の特色があることを示しています:

□より低い効率、すなわち、より多い燃料消費量(約20%)

□しばしば高回転時の、より低いトルク

□低回転時のより高いトルク

□より低い最高エンジン出力

□より低い圧縮比による、より低い騒音レベル

□より少ない排気ガスの排出

 

新しいエンジン技術

 

未来のエンジンの概念に関しては、どのような技術が使用されるか確実に予見することは困難です。一般的に、使用されるのは単一の手段ではなく、むしろいくつかの手段の組み合わせです。このことは可能な組み合わせの数はきわめて多いということを意味しています。将来の可能な動力技術のこの多様性はひとつの例として提示されるでしょう。ハイブリッド自動車はエネルギー貯蔵(たとえば電池や慣性ホイール)、燃焼エンジン(たとえばオットー・ディーゼル、スターリングあるいはガス・タービン)および発電機(たとえば直流交流磁気抵抗(reluctance)発電機)から構成されます。このハイブリッド自動車のエンジンはエタノール、メタノール、バイオガス、天然ガス、DME、水素といった多くの異なった燃料を使用することができます。それぞれの組み合わせは異なった排出ガスをもたらし、異なったコストの側面を持っています。

 

 

 

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