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品質基準

 

KFBのバイオガス・プログラムが始められた時、純粋化されたガスの成分のための規格はありませんでした。バイオガスの成分に関する情報もまた実にさまざまで、それは情報源次第であり、時には同じ情報源からのものでも異なったりすることもあります。このことは天然ガスをどのように取り扱うべきかということが知られていないので、問題になるでしょう。同時にこのことはガスのためのシステムを採用し、評価することを困難にするでしょう。

ひとつのプロジェクトが、走行する自動車で使用するためのバイオガスに関する品質基準を確立することを目的に開始されました。このプロジェクトはスウェーデン・ガス工学センターの協賛で、仕様に影響を与える可能性があるさまざまな要因に焦点をあてました。この作業は自動車製造会社、バイオガス生産者および他の産業の支援を受けました。この研究はMaltesson氏により要約されています(1997)。

品質基準は、材料工学の見地から、天然ガスのために開発された充填および自動車装置を、バイオガスで走行するように使用することを可能とするように採用されました。2つのガスの間にある重要な違いは、バイオガスが望ましくない状況のもとでは腐食のリスクを抱えることになる大量の二酸化炭素を含んでいることです。

基準はエンジンがフィードバックやラムダsondの助けを借りた排気ガスの酸素含有量の制御を含んでいるかについては考慮せず、エンジンの運行特質、排出ガスおよび耐久性を保護するために作成されました。このため、品質基準は2つのグループに分けられました:バイオガス・タイプAとバイオガス・タイプBで、このうちタイプAは空燃比制御に関係するエンジンを対象としたガスの品質に係るもので、タイプBは空燃比制御に関係しないエンジンを対象としたものです。

仕様により、メタンの含有量は96から100%の間であるべきことが確立されました(表4.1)。

この仕様は、バイオガス・プロジェクトに参加しているさまざまなパーティーの間の合意を形成するための一般的な基礎として使用できます。しかしながら、これは一般的に認められた全国規格とみなすことはできません。なぜなら、さらなる開発作業がこの仕様をそのレベルにまでグレードアップするために必要だからです。

将来の作業は、バイオガスの仕様の基礎、および技術の品質および資金的、環境的配慮の見地から、バイオガス用自動車の走行のための最善の解決策に到達するために、グレードアップした装置と自動車それぞれに適用することに焦点を置くべきです。

 

充填と流通

 

自動車のタンクは完全密閉システムでバイオガスを充填すべきです。これは2つの原則-高速充填と低速充填-のいずれかに応じて確保されます。

高速充填の場合、ガスはいくつかのガス・タンクからなる高圧貯蔵設備で圧縮されます。このタンクは自動車タンクの圧力より50-100気圧高い圧力となっており、高圧貯蔵設備ではしばしば250-300気圧の圧力となっています。高速充填は、ガソリンやディーゼルでタンクを満たすのと大まかに言って同じ方法で行われます。バスのタンクは10-15分で充填され、自動車の場合は3-4分です。

 

 

 

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