世界の原油資源の総量にも限界があります。世界経済が成長しないとして、現在知られている採掘可能な原油の埋蔵量は約45年間で枯渇します。最も極端な仮定の場合でもこれらの埋蔵量はあと100年はもちません。現在、スウェーデンの運輸部門は国全体のエネルギー消費量の約20%を消費しています。しかしながら、この部門はすべて化石燃料に依存しているため、二酸化炭素への寄与度は約40%となっています(図2.2)。
長期的ゴールは(ESTによると)、2050年までに運輸部門からの二酸化炭素の排出を60%減らすことです。この削減の大きな部分は、排出ガスのかなりの部分を占めている道路交通の分野で達成されると予想されており(図2.3)、この分野には、化石燃料を再生可能な燃料と置き換えるにあたり、他の交通の種類に比べより多くの可能性があります。窒素酸化物、NOxの排出は道路交通により引き起こされるもうひとつの深刻な環境問題です。窒素酸化物は地下水の酸性化や湖、海および河川の富栄養化の原因の一部となっています。
窒素酸化物は我々の都市部においてもまた健康問題を引き起こします。議会は目標として1980年から1995年までに、スウェーデンにおいて窒素酸化物の排出を30%削減すると宣言しました。しかしながら、運輸部門の成長によりこの目標は達成不可能となりました。