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第2章

 

自動車、燃料および環境

 

運輸部門は枯渇しつつある天然資源にほとんどすべて依存しているため、長期的に持続することは不可能です。また、それらの資源は、燃焼の際に人体と環境に重大な害を及ぼします。最も大きく、最も深刻な脅威は、二酸化炭素の排出の増加の結果発生しているとみられる長期的な環境への影響と都市部における大気汚染と騒音の結果としての人の健康への脅威です。

 

環境のゴールはなにか

 

環境面で持続可能な運輸システム・プロジェクトEST(スウェーデンにおけるMaTsプロジェクト)は、11の政府機関と企業を含むジョイント・プロジェクトですが、運輸部門の参加者は、将来の運輸は環境的、経済的および社会的に持続可能な方法で形成されなければならないという共通の確信を分かちあっているということを実証しました。このプロジェクトからの最終報告書(スウェーデン環境保護庁、1996a)は、どのようにしてそのような形成が可能かについての共通のプラットホームを提供しています。この作業の背景にある原則は、人々と自然が許容できることについての、現在の情報を基礎として定義された運輸部門のための長期的な環境のゴールです。長期的にみて克服することが最も困難とみなされている環境への脅威は:

 

□二酸化炭素の排出の環境への影響

□大気汚染と騒音による人の健康リスク

□自然の風景と生物多様性に関するインフラの影響

 

ESTプロジェクトのひとつの結論は、環境に適合した運輸システムの開発プロセスは、いくつかの側面から、多くの異なったパーティーにより運営されるべきだということです。自動車と燃料のさらなる技術上の開発がこのプロセスの基本であり、重要な側面です。しかしながら、このことは一部にはコストの理由で、また部には全ての環境の脅威がこの種の対応で取り除かれる訳ではないため、十分とはいえません。真の環境への適合を達成するために、個別に、あるいは一緒に改善に導くことのできる多くの小さな変化が必要とされます。これを達成するための戦術には以下のことが含まれます。

 

 

 

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