日本財団 図書館


最初のG7環境未来フォーラムは、1997年4月にワシントンDCで開催され、それに続きロシアを含めた8カ国によるG8環境運輸未来フォーラムが1998年2月にロンドンで開催された。今回(第3回目)は、いろいろなステークホルダー(関係者)の間に生じている運輸、環境に関する問題の情報交換、討議の場になる。

過去2回の流れの中で、特に道路輸送は、化石燃料の第1の消費者であり、また大気汚染、二酸化炭素の主要発生源であると認識された。運輸部門は過去10年間伸びのめざましい分野で、今後も成長が見込まれている。この過程において、各国の経済、社会に利益をもたらすが、反面、環境、生活条件の悪化という懸念ももたらすと考えられる。このような観点から、将来の持続可能な運輸に向けて実質的に歩み出さなければならない。

短期、中期、そして長期的観点から、運輸システムの技術改善及び燃料を通したエミッションとエネルギー消費レベルの低減はG8各国において重要な事項となる。代替技術、燃料への投資は長期的観点で必要になると考えられる。G8各国は革新のためのパワーと能力があるので、工業国、自動車メーカーをリードすることが必要である。

各国における自動車、燃料業界は、代替システム、燃料分野に於いてすでに研究開発の戦略を広げており(ハイブリッドエンジン、燃料電池、水素、メタノール)、代替システム及び燃料が環境に優しい輸送システムに重要な役割を果たす革新を行っている。

環境政策は、これらの動きを直視しなければならない。それゆえ、これらの革新の可能性、リスクを分析する必要がある。問題は、新技術及び燃料が持続可能な運輸に貢献できるか(どこまで貢献できるか。たとえば、再生可能なエネルギーを利用できるかなど)ということである。

フォーラムでは、運輸部門の環境問題が分析され、特に、新技術及び代替燃料(特に再生可能エネルギーからの)が持続可能な運輸にどのくらい効果があるかということに焦点が当てられる。政策の役割が定義され、共通活動の実施が可能な分野が特定され、代替燃料、技術の参入機会、必要条件、障害、制限などを分析することになる。たとえば、技術的に可能なもの、何が有効かといったことに関する答えを探すことになる。

 

4.2.2 結果まとめ及び提言

 

持続可能な運輸システムに関する基調講演、運輸部門の世界的動向、運輸部門における将来の化石エネルギー及び代替エネルギー需要動向等の発表が行われた後、3つのワーキンググループ(政府の役割、産業界の役割、自治体と消費者の役割)に別れ討議が行われた。

 

セッション「技術革新のための適切な枠組み設定」

 

作業グループA:政府の役割

議長:Vic Buxton カナダ環境省環境技術推進局長

冒頭発表:lain Todd 英国環境運輸地域省車両環境税制部長

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION