結論
どのプログラムや政策が採用されたとしても、よりクリーンな代替燃料の使用が増加する、釣り合いの取れた措置につながります。燃料中立政策は、代替燃料への支出が政府と消費者のための適切な実例を提供し、伝統的な、より汚染度の高い燃料の使用を変える方向に導くことを促すでしょう。さまざまな燃料産業-伝統的な燃料並びに代替燃料-の間のパートナーシップもまた避けられないものとなるでしょう。これは我々のエネルギー資源が多くの部分で密接に絡み合っているからです。同様に公的機関(欧州委員会、都市、交通局等)とエネルギー会社のような民間部門との間のパートナーシップも求められるでしょう。最終的にはマーケットの力と消費者が、より汚染度の高い燃料との競争でどの代替燃料が勝ち抜くかを決めるはずです。代替自動車燃料を使用することで大気を浄化するために支払うコストはあるにしても、そのコストは他の代替政策より低いでしょう。政策立案者にとっての課題は、できるだけ多くの市民に汚染問題解決のコストを分担させ、それにより大気汚染への解決策を見つけることにおいて各個人のコストを減らすことです。
欧州連合のための行動
どのような手段が今とられるべきでしょうか。最初に欧州委員会は、どこに追加的な資源が集中されるべきかを判断するために、現在どの代替燃料プログラムがさまざまな一般理事会により資金手当てされているか特定すべきです。次に代替燃料グループは、ECの援助のもとで、予備的な概念、プログラム、およびよりクリーンな燃料の使用を促す政策を立案するために会合を持つべきです。その後でECは成果を統合し、全欧州でよりクリーンな燃料の使用を促す戦略的な政策の開発を始めるべきです。そのプランはまた欧州連合のための複雑な燃料プランへ移行するための公式の保証として、議会の同意を取るべきでしょう。
【出典】
第15回電気自動車シンポジウム論文集
4.2 G8環境未来フォーラム
1999年1月25、26日にドイツのボンで、G8環境大臣会議の一環として「環境未来フォーラム」が行われ、先進8カ国の代表により持続可能な運輸システムに向けての問題が討議された。ここでは、各国政府の果たすべき役割が論議され、種々の提言がなされた。以下に概要を報告する。
4.2.1 背景
1996年5月にフランスのCabourgで、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の環境大臣により、環境及び持続可能な開発に向けた将来の課題が話し合われた。その中で、将来の問題を早期に特定することで、環境問題の解決をより効率的に行うことができるということで一致がみられた。G7の大臣は、この分野でG7が協力し、行動を起こすために可能性のある分野は協力することを発表した。こうした流れの中で、アイデアを集めるためフォーラムを開催することが必要であるとの認識に至った。