エンジンベンチと自動車のテスト結果:
-燃料消費:
純粋の軽油と比較して特段の消費量の増加は、RME5に関しては認められませんでした。長期で見れば、約0.5%の低発熱量(LCV)の差により、それと同じ程度の消費量の増加が予想されます。
-騒音測定:
RME5を使用した時に、走行時の騒音に違いは認められませんでした。しかしながら、始動後の数分間に増加が認められました(0.5db)。
-運行および耐久性:
耐久性からみた性能は、ベンチでのエンジンと通常の使用の後に検査されたエンジンについては、軽油とRME5の間に特段の違いは認められませんでした。そしてこのことは、さまざまな自動車フリートで実施された潤滑性の分析により確認されました。
製造業者の手続に従い実施されたベンチでのテストでは渦流燃焼室を持つエンジンで吸気パルプの汚れが増加した他は特段の影響はありませんでした。
しかしながら、明らかにデポジットの形成にほとんど影響していません。
潤滑性能に関しては、分析からは全ての自動車のRME5と軽油の間に違いはありません。述べられている希薄化の影響は、直噴エンジンの場合で、エステルの高い混合比率に関してのみ触れられています(50%およびそれ以上)。
-寒冷時始動および走行:
小型自動車では、5%のRME混合物と標準軽油との間に、上述した騒音の増加を除いて、違いがありませんでした。
大型自動車では、基本的な厳冬タイプのガスオイルとRME5の混合物の間に、摂氏マイナス20度で性能の違いはありませんでした。
-ノズルの汚れ:
清浄添加剤のおかげで、標準軽油とRME5は、添加物を含まない製品により生じた汚れのわずか半分の汚れという、同じ性能を示しました。我々はRMEがわずかにノズルの汚れを増加させる傾向があるものの、これは清浄添加剤を混合することで解決されるということを指摘すべきでしょう。
-運転手の意見:
自動車の運行を通じて不幸な事故はありませんでした。そして出力、加速、道路の騒音(暑い時)あるいはアイドリングの均等性に関してコメントはありませんでした。
-燃料タンクと回路の性能:
小型自動車で検査された燃料回路、タンクおよび計器に劣化の早まりはみられませんでした。大型自動車の場合、鉛で裏ばりされたタンクについてのみ奇妙な現象がみられました。水もまた存在したときに、エステルの含有量に関係なく、鉛のタンクの裏ばり(フランスのバスの特徴)にダメージがありました。これはエンジンの作動には影響がないことが証明されました。結果的に1994年1月以降、バス製造業者の仕様書に、タンクの裏ばりとして鉛を使わないことが加えられました。
-排出ガス:
規制対象の汚染物質はガスオイルに5%のRMEを加えることでほとんど影響を受けません。エンジンベンチに関して、炭化水素は(HC)の減少とより高い窒素酸化物(NOx)の傾向が観察されました。特定の汚染物質について、二酸化窒素(N2O)は5%のRMEの存在により影響を受けませんでした。