なお、スウェーデン運輸通信研究庁(KFB)がまとめたバイオ燃料に関する報告書の翻訳が、「低公害・代替燃料自動車の普及・促進のための調査研究報告書 海外における低公害・代替燃料自動車の技術、普及状況調査資料集-バイオ燃料を使うクリーンな自動車-(平成11年3月 財団法人物流技術センター運輸低公害車普及機構)」に収められているので参照されたい。
フランスもEUの政策に従い、自動車用のバイオ燃料普及を行っており、実際に消費者へ知らせることなしに石油系燃料に低濃度で混合することが許されている。フランス・環境エネルギー庁(Ademe)、フランス農業省及びなたね油メチルエステル製造工場を訪問しフランスのバイオ燃料の普及政策、普及状況及び技術に関する情報を入手したので、以下にまとめる。
3.2.1 フランスのバイオ燃料の普及政策に関する情報
(1)訪問日時及び応対者
訪問日時: 1999年2月26日
応対者 : Mr. Olivier Denais 農業省 食品外用途部長
Head of No Food Uses Department,Ministry of Agriculture
Mr.Patrick Coroner 環境エネルギー管理庁 技術部輸送統括
Head of Transport,Technologies Department,
Agence de l'environment et de la Maitrise de l'Energie
(2)調査概要
1)現在フランス政府のプロジェクトとして実施しているバイオ燃料の開発に係る領域は下記の通り。
(a)エタノールからETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)を生産し、ガソリンに混入させて自動車燃料として使用する方法。
(b)ジエステル(なたね油メチルエステル)を生産し、ディーゼルに使用する方法。
現在のフランスの政策は、バイオ燃料を単独で使用するのではなく、常にガソリンまたはディーゼルに混入させて活用することである。欧州諸国のバイオ燃料に対する考え方は、多種多様で、ドイツではバイオ燃料を直接使用する動きもあり、ガソリンと混合させずに使用している例もある。
フランスでは、TIPPと称する税制面での政策により、バイオ燃料が使用されたETBEとガソリンの価格がほぼ同額になるように調整されている。