日本財団 図書館


今やらなければならないことは自動車会社の利害を超えて考えていくことだ。自動車メーカーの利害とエネルギー会社の利害、政府、それから社会全体の利害を合わせて考えなければならない。必要とされるインフラを整備するためには政策上の取り組みが必要だであり、全体的なシステムとして、基本的な技術、車輌、燃料、消費者、社会を統合的に捉えていかなければならない。全関係者の努力が集まり、燃料や燃料のインフラの構築方法についてコンセンサスが得られ、その共通の目標に向けて協力していくことが非常に重要だ。

 

フォード・モーター社

最も重要な課題は、たくさんの車を提供し、本当に環境に大きな影響力を行使するためには価格が安くしなくてはならないことだ。イニシャルコスト、運用コスト、車の下取り価格も考えなければならない。重量を減らす、アセンブリーコストを安くする、低いコストで大量生産できる技術を開発することも狙いとしている。

 

燃料電池のメリットは長期的な意味での代替エンジンになること、最終的には環境に優しい車になること、非常に高い熱効率があることだ。この技術は非常に進んでおり、ゼロエミッションということで、水素を使うことによって炭素燃料を使わなくてよい。短期的にみるとメタノール改質方式がいちばんの解決策だろうとみている。理由は水素炭素比が高い、システムが複雑でない、既存のインフラをほぼそのまま使えることである。

技術的なパートナーシップというのはとても重要である。部品メーカー、自動車メーカー、政府や大学の関与とコンセンサスも必要だ。

 

ダイムラー・クライスラー社

 

燃料電池の可能性:米国の政府と自動車メーカーのプログラムである次世代自動車のパートナーシップ(PNGV)の中で燃料電池自動車が定義されている。燃料電池は現在開発途上の技術で、輸送部門をはじめすべての分野で内燃機関に置き換わる可能性をもっている。

 

問題と燃料の選択料補給のインフラだ。インフラシステムを改善するため、実際に導入可能なシステムを検討した。メタノールを貯蔵し車で処理して水素を取り出せば、液体燃料を使うということから、既存の燃料補給システムと互換性があり、非常に受け入れやすいシステムになると考えられる。一般向けのアプリケーションでは、燃料供給が非常に簡単で、航続距離も長いメタノールがよいだろう。

 

トヨタ自動車

燃料の候補水素、メタノール、天然ガス、ガソリンなどが燃料電池の候補として挙がっている。インフラの問題、コストの問題、全体的な燃料効率を考えて、順位をつけることはできる。評価の時期にもよるが、まず、21世紀をとらえて評価をする必要があるだろう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION