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2.1.3 IVECO社における天然ガス自動車プロジェクト

 

1998年10月にパリで開催されたFISITAにて、IVECO社は同社の天然ガス自動車に関するプロジェクト概要を紹介している。以下にその内容を報告する。

 

商用車への天然ガス燃料の現実的応用

 

プロジェクト概要

IVECOは、1984年に天然ガスエンジン及び車両の開発を開始し、1991年に実用化のアプローチを始めた。実用化へのテストは、以下の三つの理由で小規模フリートテストに集約した。

・CNG充填設備は、高価で特別な設備である。

・多くのフリートテストを実施するためには、専門技術者が不足している。

・充填所に近く、(経済的リスクを容認し)本フリートテストに興味を持つ運送事業者の数が少ない。

 

しかしながら(その間、代替燃料使用に関する機運が出てきたこと、ディーゼルエンジンに関する排気規制が強化されつつあるこから、フリートテスト車は増加しており、約100台を超えるに至った。下表に今日現在の台数を示す。

 

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プロジェクト結果

技術面:

フリートテストの結果、以下の良い結果が得られた。

・エンジンや付属部品の耐久性は問題ない。

・騒音が静かである。

・熱効率は、ディーゼル比で25%程度劣るが、燃料(天然ガス)が安いので、燃料費の増加を抑えられる。

・16万km走行後でも、排出ガスは悪化せず安定していた。

しかしながら、以下の改善を要する点もあった。

 

 

 

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