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実走行での測定-制御システムと触媒の最適化

実際の走行時のエンジンの運転条件は、13モードとは同じでない。このため、ブラッセル市内を実際に走行する条件で。エミッションの測定が行われたもこの測定には、Vito's On the Rord Energy and Emission Measurement(VOEM、実走行でのエネルギー、エミッションの測定)を利用した。

 

天然ガスバスを対象とした初回の測定結果は、表2の「測定1」に示されるが、これはNOxを除いては、MIVBのEURO-1ディーゼルバスよりもエミッションが多い。低エミッション化を図るために、エンジンの最適化が行われたが、動的な挙動(経時劣化)でみた場合、同じような低エミッションを達成できなかった。反応速度に焦点をあてた新たな制御システムの最適化が必要となった。この結果(表2-測定2)は、エミッションは明らかに改善し、COの値のみがディーゼルをやや上回るというものである。表2-測定3は、新型の触媒を導入してのテスト結果である。エミッションは一段と低下していることが分かる。

 

表2天然ガスバスとディーゼルバスの実走行によるエミッション比較

(ブラッセル市内のルー卜59)

 

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最適化の結果

・最適化された天然ガスバスは、ユーロ1基準のディーゼルバスよりも環境にやさしい。

・定置テストで低エミッションという結果が出ても、実走行によるエミッションはそれより高くなる可能性がある。

・低エミッションを実現するには、燃料にあわせて最適化されたエンジンに加え、適切制御システムと良い触媒が必要である。

 

実走行での測定-触媒の老化のモニタリング

走行距離(経時)とエミッションとの関係を調べるために、2種類の触媒について、走行距離3万5000kmごとに2回の測定を行った。

 

表3天然ガスバスのエミッションの経時変化

 

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経時の問題は、燃料にあわせて最適化された触媒技術を利用したり、エンジンからのエミッションを低減することで解決されうる。

 

 

 

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