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燃費が良く環境に優しいバス技術の追求

The quest or fuel effcient and environmentally friendly bus technologies

 

ブラッセル初の天然ガスバスの導入のためのイニシアチブ

ブラッセル市当局は率先して、環境問題に対処し、交通渋滞を緩和することを目指している。1991年から1996年まで、ブラッセル市交通局(MIVB/STIB)のフリートが大幅再編されることとなっていたため、交通公共事業担当省とエネルギー・科学研究省とともに、フリートに代替燃料自動車を加えるとの決定がなされた。これに際して、VITOはこうした代替燃料自動車の調査委託を受けた。

この調査の対象となる動力系は、新しいディーゼル技術、LPG技術、天然ガスシステム、水素システム、燃料電池システム、メタノール技術、トローリーバスである。

比較検討する項目は環境、エネルギー、技術、安全性、運行安全性、社会の受け入れ度、コストである。

 

ブラッセルに天然ガスバス20台を導入

1993年にMIVBは、20台の天然ガスバスを購入した。これらのバスの主要諸元は以下の通りだが、特に重要なのは、エンジンがストイキ制御であること、およびガス供給系がリリース装置(releasers)とキャブレター、ステッピングモーターで構成されていることである。燃料タンクは8つあり、それぞれ容量は80リットルである(200気圧)。

1993年に、技術的評価を行うことが決定され、上記の側面について2年間にわたって調査された。ここでは、環境とエネルギー面を論じる。

 

エンジンテスト-エンジン改良

欧州では、バスのエミッションはENGINEテストに基づいて測定される。試験モードは13モード(ECE-R49)である。

VITOでは、改良後のエンジンを利用して試験を行った。

結果を表1に示す。

 

表1 13モードによる天然ガスエンジンのエミッション(最適化後)

 

011-1.gif

 

結論としては

・天然ガスは明らかにエミッションレベルが低く、クリーンな燃料であることがわかる

・エンジン設計の際に、天然ガスの成分の違いを考慮する必要がある。

 

 

 

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