1995年から1997年までの、これら20台のバスの累計走行距離は2,190,289kmと、1台あたり36,505kmであった。同型ディーゼルバス40台の1台あたりの走行距離は35,519kmである。天然ガスバスは、きわめて満足な成果を上げている。
10万kmあたりの故障回数は天然ガスバスが34.4回、ディーゼルバスが23.1回となっているが、1997年以降改善がみられ、両車のひらきは27%程度である。
1997年には、技術的な理由で運行停止となる車両の割合は1日あたり、160A300のディーゼルバスが8〜18%(平均13.2%)、A300の天然ガスバスが5〜50%(平均32%)である。この計算では、天然ガスバス20台のうち、運行可能な台数は1日あたり14台であるとディーゼルバスの割合を考えた場合は17台になる。しかしガス自動車技術はこの一因ではない。
<コスト>
運行費用
ガスの圧縮・供給施設は、ブラッセル環境システム(BRENSY=BRussels ENvironmental SYstems)の資金により、設立(運営されていると補助金は都市環境システム(CITENSY=CITies'ENvironmental SYstems)とブラッセル地域投資会社(SRIB=Brussels Regional Investment Company)より出されている。
エネルギー供給コストは1997年に、lkmあたり10.04ベルギーフラン(BF)に増加した。内訳は、SIBELGASでの減圧コストが5.75 BF、BRENSY圧縮施1設関連のコストが3.85 BFで、STIBによる供給コストが0.30 BF、ヒーティング用の軽油コストが1kmあたり0.14 BFである。1997年の同等のディーゼルバス40台の燃料費は1kmあたり7.97 BFと、天然ガスバスより2.07 BF安い。
現段階では、メンテナンスコストの有効な比較は難しいが、これまでのデータでは、天然ガスバスのメンテナンス費がディーゼルより安いということはないであろう。本来的には天然ガスの方が1kmあたり2〜3 BF安いが、以下の費用を考慮するとこの分のメリットは相殺される。
・メーカーの保証によって現在までに行われている修理や調整コスト
・触媒の交換費用(原則的に2年毎)。1台あたり20万BF
・5年毎の解体・組み立てコスト
投資費
1994年には、天然ガスバスの購入にかかる追加費用は2060万BF(1台あたり103万BF)に増加した。
20台が収容可能な屋外の駐車場の開発、関連研究費、コンクリート床や電気供給システム、遠隔通信の敷設に1120万BFがかかる。
さらに、ガス協会発行の安全規則に従うために、メンテナンス所の諸条件を整備する必要がある。
インフラ関連の投資は現在1200万BF(1台あたり60万BF)であると圧縮所や充填所を設置するための費用(約1400万BF)は考慮されていない。