然ガスバスは、HCの排出量が最も少なく、NGV2とNGV3はCOの排出量が最も少ない。NVG2には触媒があり、累積走行距離は6万5000kmに達する。他のバスの触媒はまだ新しいため、排出量は変化するであろう。
全般的に、ガス系の燃料は排出ガスについて、ユーロIIのディーゼルバスと比較してかなり優れている。大都市の大気汚染の改善という観点からは、NGVl、NGV2,NGV3,LPGlは、ディーゼル車よりも明らかなメリットがある。
エネルギー効率が良くかつ環境に優しいガス自動車があるのか、という問いについては「ない」と答えざるを得ない。NGV2とNGV3は、ユーロIIのディーゼルバスと比べてエネルギー消費量は15%とそれほど大きくないが、ガス系のエミッションは良くない。NGVlとLPGlのエネルギー消費量はユーロIIのディーゼルバス比で30%以上となっている。
LPGバスについては、マルチポイントインジェクション・システムが最も良いということが分かつている。同システムは、天然ガスバスにとっても最良の選択である。
天然ガスバスは、ユーロIIのディーゼルバスと比べると、COとNOxのエミッションが少ない。現在の最先端の技術を用いた天然ガスバスは、最新のディーゼルバスよりも50〜95%もエミッションが良い。
ディーゼルバスとの比較において、経済性があり環境にも優しい天然ガスやLPGバスは、現在のところないと言わざるを得ない。マルチポイントインジェクション・システムを採用している天然ガスとLPGバスは、エミッション面では優れているが、燃料消費量がディーゼルバスにくらべて30%ほど上回ってしまう。
1台を除いて、試験を行った天然ガスバスはすべて、新しい触媒を用いて調整されたため、経時変化によるレギュレーターヘの影響は定かではないが、累積走行距離が65000kmのバスでも、低エミッションは達成できている。
<結論>
VOEM(車載型排出ガス計測システム)を利用し、合計8台のバスについて、実際の走行によるエネルギー消費量とエミッションの測定を行った。ユーロIのディーゼルバスと現在のMIVB天然ガスバスのデ‐タを(測定年:1994年)を参考として用いた。
【出典】
「バス・トラックのためめ省エネルギー・環境配慮型の新技術に関する国際ワークショップ」
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