EtOH15燃料はスウェーデン・エタノール財団によりこのプロジェクトのために供給された。議論の中でスウェーデン・エタノール財団の代表者は、セタン価向上剤はEtOH15混合物に溶けないという情報を提供した。しかしながら、この結論は純粋エタノール燃料のために特別に開発されたスウェーデンのセタン価向上剤に関するテストのみに基づいて出されたものであった。このEtamix燃料はわずか15vol%のエタノールを含んでいるだけであるため、VTTは通常の炭化水素ディーゼル燃料のために開発されたセタン価向上剤(2‐エチル硝酸塩をベース)に関する研究室でのテストを開始することを決定した。結果として通常のセタン価向上剤はエタノール混合燃料に利用可能で、少なくともいくつかのセタン価の改善が見られたと大型エンジンでのテストが研究室でのテストが終了する前に実施された。このようにセタン価向上剤を加えたエタノール燃料はVOLOVOエンジンによる大型エンジン・テストには含まれなかった。
スウェーデン・エタノール財団は、菜種メチル・エステルを含む追加のエタノール燃料は、このテスト燃料マトリクスに含まれるべきであると主張した。約10%のエタノール、4.3%のRMEおよび乳化剤を含むスウェーデン環境クラス1のディーゼル混合燃料は、1996年春に参加国の了承を得てこのプロジェクトに含まれることとなった。
セタン価43および60を持つASTM D 613セタン価試験法における標準燃料(Cnref60およびCnref43)が小型自動車でテストされた。セタン価標準燃料はn-セタン(n-6価炭化水素、n-hexadecane、CN100)およびhigh branched paraffin heptamethylnonane(CN 15)の混合物である。このため、これらの燃料の分留の範囲は非常に狭い:わずか摂氏245度から287度の範囲である。このASTM標準燃料は非常に高価であるため、多くの燃料消費を伴う大型エンジンでのテストはこのプロジェクトでは不可能であったはずである。
テスト燃料の要約と略号は以下のとおり:
ベース燃料:
CEC: CEC標準燃料
ASTM2D: 北米のASTM 2-Dディーゼル燃料
SCD: 北欧低排出ガスディーゼル燃料
RME20: 20%の菜種メチル・エステルを含むCECディーゼル燃料
TME20: 20%のタール油メチル・エステルを含むCECディーゼル燃料
EtOH15: 15%のエタノールを含むディーゼル燃料混合物
EtRE: 10%のエタノールと4.3%のRMEを含むディーゼル燃料混合物
加えて、セタン価標準燃料であるCnref60およびCnref43が小型自動車によりテストされた。