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―ル油は他のタール油製品であるタール油メチル・エステルに置き換えられたとフィンランドの会社であるForchem石油(現在はArizona化学の一部)がそのタール油メチル・エステルを供給した。

タール油はパルプ産業の副産物である。タール油メチル・エステル(TME)はタール油脂肪駿(TOFA)から作られるとフィンランドのタール油脂肪酸の生産能力は約年間5万トンであり、これはフィンランドにおけるディーゼル燃料消費量の約3.5%に相当する。世界で最も重要なタール油生産者はカナダである。

TMEの成分と特性はRMEと類似している。TMEがRMEより優れている点は生産工程の違いであり(図1参照)、副産物がエンジンの稼動性により有害とみなされるグリセロールではなく水であるという点である。

 

図1. TMEとRMEの生産

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スウェーデンは輸送用燃料としてのエタノールの研究においてリーダーの地位にある。例えば、スウェーデンの首都であるストックホルムの中心部ではすべてのバスが純粋エタノールで運行されている。ここ数年の間にスウェーデンにおけるエタノール研究はエタノール混合ディーゼル燃料もまたカバーしている。エタノールは極性のある化合物であり、乳化剤なしでは極性のない化合物である炭化水素と混合しない。このことから、スウェーデンのエタノールとディーゼルの混合物にはオーストラリアから購入した乳化剤が1vol%以下の割合で含まれている。環境クラス1のディーゼル燃料と15vol%のエタノールおよび1vol%以下の乳化剤によるエタノール混合物は「Etamix 15」と呼ばれる(EtOH15)。研究室でのテスト、エンジンおよび排出ガステストを含むいくつかの研究がスウェーデンにおけるこの燃料に関して実施された。そしてフィールド・テスト・プログラムが進行中である。おそらくEtamix燃料に関する最も重要な問題はその安定性である:エタノールとディーゼル燃料は3ヶ月の貯蔵で分離を始める。

 

 

 

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