ではプジョー106やシトロエンAXなどのようないくつかの電気自動車が市場に出されている。
トヨタも特徴のあるハイブリッド電気自動車を日本で販売することを計画中であると発表した(遅れて北米でも販売予定)。トヨタ「プリウス」と呼ばれるこの自動車は2つの形態の動力装置を持つが、これらは厳密にはシリーズ方式あるいはパラレル方式ではない。
電気自動車用の新しいタイプの電池の開発が進められており、電気自動車にとっては依然として最もコストのかからない電池である鉛酸電池以外に、ニッケル・メタル水素化物電池、リチウム・イオン電池といった電池がある。しかしながら、後の2種類の電池は、鉛酸電池より相当高いコストがかかる。電気自動車の重要な走行距離記録を打ち立てた第一世代(充電不可能)の電池は亜鉛-空気電池である。このような電池が電気自動車用として一般的となるかどうかは、不明である。
高い電流を送ることが可能であるウルトラキャパシタは、ハイブリッド電気自動車の動力源として魅力的な候補である。最近まで、ウルトラキャパシタの商業化は不可能であった。しかしながら、米国のMaxwell Technologies社は高性能電池の販売を始めると発表した。詳細はそのwebサイトで利用可能である:http://www.maxwell.com.
電気自転車やスクーターの分野では大きな動きがあり、このような乗り物が最も日常的に利用されているアジア諸国においては大気汚染緩和の観点から、こうしたアプリケーションの採用は急務と思われる。
燃料電池を使ったハイブリッド電気自動車に関連して新たな発表が行なわれた。クライスラー社はガソリンを燃料として使う燃料電池自動車を開発する計画を発表した。この開発の明らかな利点は、給油のためのインフラがすでに存在していることである。その他の製造業者がメタノールとエタノールを燃料として使う燃料電池ハイブリッド自動車や車載用素貯蔵容器を使う自動車等の計画を発表している。
圧縮水素の場合、長い間、水素を車両上で貯蔵することが問題であった。そのため、貯蔵方法として、金属水素化物を使った貯蔵(水素を作るため)や、他の燃料からの改質が考慮されていた。高圧容器を必要とすることなく、水素貯蔵能力の高い「ナノチューブ」を利用する方法が広範な支持を集めている。
2.2.3 液化石油ガス
液化石油ガスは輸送に関して最も普通に使用されている代替燃料である。最近までこの燃料をエンジンの中に計って入れる技術はガソリン燃料自動車に使用されている技術に遅れを取っていた。古いガス混合技術が排気の酸素フィードバック制御、連続ガス・ポート噴射、および液体ポート燃料噴射等のシステムに取って替わられるにつれ、この溝は急速に解消している。