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2. 自動車エミッションと燃料

2.1 序文

自動車から排出されるエミッションおよび蒸発物は、燃料(電気、木材からのエタノール、バイオ燃料など)によりいくつかの例外はあるものの、自動車の使用に関連した環境影響の最大の要因と考えられている。このように自動車のエミッションは現在世界的な規制化の努力と技術研究の焦点となっている。アネックスVIIの最終報告書(McGillその他、1995年)では、小型自動車の排出ガスのいくつかの研究、蒸発性エミッションに関するいくつかの情報、および大型自動車でのメタノールとエタノール使用のいくつかの研究が示されている。前回の報告書の完成以来、エミッション基準が変化し、技術が進歩し、代替燃料に関するいくつかの重要な研究が行われた。

この他にも重要な変化として、燃料からのエミッションを比較するための最大増加反応性と反応調整係数がより広範に使用されたことが挙げられる。反応性とは燃料のオゾン生成能であり、あるいは燃料の中の特別な化学物質のことである。増加反応は大気中に加えられた化学物質の1単位ごとに発生したオゾンの量であり、スモッグ・チャンバーの中での実験測定によるか、あるいは大気の質のシュミレーションを通じて決定される。最大増加反応性は化学物質の1単位毎に発生するオゾンの最大量の測定である。反応調整係数は一種の加重された反応係数であり、個々の排出有機物がオゾンの形成には均等に寄与するわけではないという事実を加味したものである。特定の燃料については、反応調整係数は参考燃料(従来の無鉛ガソリン)から排出された有機物のオゾン生成能により区別された燃料により排出された有機物のオゾン生成能である。

 

2.2 個別の燃料に関する技術の最新情報

自動車製造業者は次第に厳しい排出ガス基準を満たすことが求められているので、従来の燃料を用いる自動車によるエミッションと代替燃料自動車からのエミッションの水準の差異は減少している。最も厳しい排出ガス基準はカリフォルニアの超低排出ガス自動車基準である。1997年までにこれらの基準に適合した唯一の生産自動車は、電気自動車と圧縮天然ガス燃料を使用する自動車であった。しかしながら、1997年にホンダはこれらの基準を満たすガソリン燃料自動車(1998年型ホンダ・アコードEX)を販売するだろうと発表した。

技術の進展によって蒸発性エミッションは削減されてきているが、爆発性の空気-燃料の混合を生み出すという逆効果も生じている。液体燃料についていえば、燃料蒸気が大気に放出されると、揮発性有機化合物エミッションの原因となりうる。典型的なケースとして、制御さ

 

 

 

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