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質量の測定を過去に行ったことがない。従って、今回のBLPIの測定をもって最終結論を導くには早いと考えている。しかし、第5モードにて、燃料の違いにより粒子質量にきわめて大きな差があることは興味深いと思っている。EN590は、粒子質量が最も大きく、RMEとRFDは低い。今後、ECEのR49テスト試験法に基づき、ECEのR49トータルでの粒子質量を測定していく。

(2)ELPIとSMPSによる粒子数分布測定結果

BLPI測定と同時にELPI、SMPS測定により粒子数を計測した。両者とも再現性は非常に良かった。図4にSMPS測定の場合の再現性を示す。

 

図4

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Ewpeatability of SMPS measurements.

 

図5に、各燃料において計測された粒子数を示す。ELPIとSMPS計測原理が異なり、比較するには修正を要するが、それぞれの計測結果は傾向が似ている。つまり、RFDは40nm以下に超微粒子核生成モードが無い。他の燃料は核生成が明らかに存在する。

核生成モードが無いのは、RFD燃料は硫黄含有量が少ないためであると考えられる。文献によると核生成モードにおける生成物は、硫酸、水及び炭化水素の凝縮物であると述べられている。これは、今回の測定結果と一致するものである。もし、希釈ガスを再加熟したり、乾燥させたりすると核生成モードは消えるかも知れない。また、希釈率もそれに影響するかも知れない。希釈率の影響は、この試験中他の条件で観測されたが、この調査研究の範囲外であるので、希釈率は一定で試験を行った。

RME燃料では大きな粒子の濃度は少なかった。30%のRMEを含んだ燃料の場合、粒径分布曲線は、100%RMEと100%EN590の燃料の間にあった。RFD燃料の場合、0.1ミクロンメーター程度の大きな粒子濃度はEN590より多かった。しかし、SMPSではそのような傾向は見られなかった。ELPIとSMPSの粒径分布の差異は測定原理の差によるものと考えられる。

 

 

 

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