1.3 今後の動向
1.3.1 提案された新アネックス
今回の執行委員会で、新たに3つのアネックスが提案された。
概略計画が明らかになっているアネックス18を中心に2つのアネックスを以下に紹介する。
(1)より環境に優しい未来のディーゼル燃料に関する研究[アネックス18]
運営機関:バテル・メモリアル・インスティチュート(米国)
背景
1]ディーゼルエンジンの利用度が高まっている。
2]ディーゼル車はガソリン車よりも高効率であり、いくつかのIEA加盟国でもよりポピュラーになりつつある。
3]ディーゼル車の排出ガスを低減するという課題がある。
4]ディーゼル車の炭化水素や一酸化炭素の排出量はガソリン車に比べて低く、効率を高めれば、二酸化炭素も減らすことができるものの、粒子状物質(PM)窒素酸化物やNOxの排出量が問題になっている。
5]含酸素物質をブレンドすることにより、ディーゼル車のエミッションを減らせる。
6]各種の含酸素物質が検討中である。
7]含酸素物質に関する燃料関係のデータは不足している。
8]含酸素ディーゼル燃料は、より環境に優しい燃料の基盤を提供するものである。
9]含酸素ディーゼル燃料は各種の選択肢があるので、今後、研究開発によって、こうした燃料の性状についての追加情報が必要である。
プログラム概要
このアネックスは、3段階を想定している。
第1段階:燃料の性状(混和性、水に対する相分離許容度、ブレンド蒸気圧、毒性など)
第2段階:燃焼性状、エンジン運転に関連する燃料特性
第3段階:エンジンテスト、燃料仕様の検討、ライフサイクル分析
第1段階
対象
1]混和性
ディーゼル燃料とのブレンドが可能かどうかに関する情報の入手が大切である。現在、低温での混和性に関するデータが手薄である。
燃料タンクや、各種のディーゼル燃料(フィッシャー・トロプシュ法による合成ディーゼル燃料から従来のディーゼル燃料まで)に関して、混和性に関するデータが必要である。