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の違いによって燃料消費量やエミッションに影響が出ることは避けねばならない。バスの選定に際しては、文献調査も考慮に入れる。最終的には、バスが試験利用できるか否かが選定基準になろう。

 

3. 様々な条件下における技術の評価測定

選定した2台のバスを用いて、エミッションと燃料消費量を測定する。測定に際しては、様々な試験方法、試験モードを用いる。これらの試験の目的は、シュミレーション化されたモード試験と(各種の)実走行条件下でのエミッションと燃料消費量に関するデータを収集することである。用いる試験モードは以下の表の通り。

 

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路上、サーキットでの試験には、VITOのVOEM(実走行のエネルギー・エミッション測定システム)を用いる。このシステムは、実際の路上走行中にエミッションや燃料消費量を測定することができる。測定対象となるエミッションはトータル炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物である。また、二次的に、燃料消費量、ラムダ、車速、エンジンスピードも測定する。

 

結果の完全比較ができるよう、同じエンジンについて13モード、FIGE、US-FTP試験を行うほか、負荷を変えての試験も行う。

 

4. 試験モードの比較

各試験モードの特徴について分析し、複数のモードを利用してエンジン負荷の違いによる比較を行う。簡単な例では、13モードの13点のエンジン負荷が挙げられる。

車両に関する測定では、車両負荷とエンジンスピードからエンジン負荷を算定する。分析によって、それぞれの試験モードが、試験された現実に即しているか否かを調べる。例えば、「CDBモードは、インターシティの走行を体現しているが、市内走行の現実にはそぐわない」など。また、スピードと加速で示す車両負荷についても同様の分析を行う。

 

5. エミッションと燃料消費量の比較

4の試験モード自体の比較に加え、5段階目ではエミッションと燃料消費量の比較を行う。試験モード、技術、エミッションの間の関連を分析し、ディーゼルバスとCNGバスの結果比較をする。さらに、シュミレーション・モードと実走行の結果比較も行い、前者がどれだけ後者を体現しているか調べる。最後には、エミッションと燃料消費量に与える車両負荷の影響を調査する。

 

 

 

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