成果と報告書
東京で開催された第23回執行委員会(1.2項参照)で中間報告が行われた。この内容は、第4章アネックスの成果報告書の4.1項「中間報告段階での成果」で紹介する。
1.1.3 アネックス14
「ディーゼルエンジンの燃料としてのジメチルエーテルの市場化調査」
(Investigation into the Feasibility of Dimethyl Ether as a Fuel in Diesel Engines)
背景
自動車用代替燃料としてジメチルエーテル(DME)が考慮されてからまだ日が浅い。DMEが利用されるようになった主な理由は以下の通り。
・エネルギーの安定供給確保:DMEは、原油に比べて豊富な、天然ガスや他の含炭素原料(バイオマスなど)から生産可能である。
・排出ガス(エミッション)や騒音が少ない。NOxもかなり低い水準に抑えられる。
・液化ガスのため、燃料の車載が容易。
このように見通しが明るいことから、1996年11月にオランダのDelftで初のDMEワークショップが開催された。エンジンや燃料といった分野からDMEの専門家が参加し、代替燃料としてのDMEの導入に必要な一連の共同研究や研究開発活動をまとめた。大規模な共同プロジェクトを行う主体として、このアネックス14の創設が提案された。
目的
代替燃料としてのDMEの市場導入に関する調査が目的である。標準の燃料性状を設定すること、環境影響面の情報を入手すること、安全性や車両への導入についてのガイドラインに調査の焦点が当てられる。