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VOEは、通常のディーゼル燃料と混ざりやすいことから、ディーゼル燃料のブレンド材料として利用できる。

 

世界的に、バイオディーゼル燃料に関する情報が多数公表されている。しかしながら、多くの場合、使用されているエンジンは古い、大量のエミッションを出す農業トラクターエンジンであり、エンジンが違えば、違いが生じてくると思われる。これは特に、エミッションを低減するために排出ガス浄化装置を使用するときに当てはまる。バイオディーゼル燃料のエンジンのエミッションについての詳細はほとんど知られておらず、これまでになされている比較研究も、大部分が硫黄含有量の多いディーゼル燃料についてなされたものである。

 

かなり最近でも燃料の代替やエンジンコンセプト、分析データについての研究は少ない。

例えば、モーターテストセンターは、バスのエンジンから排出されるパーティキュレートについての生物学的な試験を含めた研究を実施した。しかし、異なるエンジンや規制されていないエミッションに関する詳細な分析データはない。さらに、コロラド州の燃料とエンジンに関する研究所のGraboski氏は、将来、バイオディーゼルについて、特にSOFやアルデヒドといった規制されていない大気汚染物質のエミッションを測定する必要がある、と結論づけている。

 

IEAのバイオエネルギー協定では、バイオディーゼル燃料が健康面に及ぼす影響に関する試験(医学的試験)が計画されている。

 

活動の内容

このプロジェクトは、様々なディーゼルエンジンについて、バイオ燃料およびディーゼルとバイオ燃料とのブレンド燃料(バイオディーゼル燃料)を利用した場合の、エミッションと性能のデータを収集することを目的としている。サイズや用途が異なる最近のディーゼルエンジンが対象となる。エンジンのなかには、排出ガス浄化装置のあるものもある。燃料には、レギュラータイプや改質タイプも含まれる。また特に、規制されていないエミッションおよびパーティキュレートの成分分析に力点が置かれる。

このプロジェクトによって、バイオ燃料およびバイオ燃料をブレンドしたディーゼル燃料のエミッションに与える影響が分かる。燃料ごとの排出ガス浄化装置の効果も調べられる。排出ガスの成分および排出ガスの生物学的な影響についての詳細な情報が含めた最終報告を作成する。従来のディーゼルや改質ディーゼルとの比較により、様々なバイオ燃料やバイオ燃料をブレンドしたディーゼル燃料のエミッション性能について詳細な討議も行う。さらに、各種のバイオディーゼル燃料の最適な利用法について結論を導く。

この結果は、それぞれのアプリケーションや市場に適したバイオディーゼルを見極める際のデータとして利用できる。ただしこの場合、バイオディーゼルの生産やコストまたは経済面など、他の細部は問題にしない。

このプロジェクトでは、数種類のバイオディーゼル燃料が対象になる。同プロジェクトは、ディーゼル燃料の質の改善および/または新しいバイオディーゼル燃料の成分に対する将来の評価につながるものである。

 

 

 

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