3 IEAの組織
まず、IEAの最高意思決定機関として理事会(Governing Board)があり、すべての参加国からメンバーが出されることになっている。
この理事会の下に、次の5つの常設作業部会が設置されており、各々の部会は理事会に対して報告義務を負う。
1]緊急時問題常設作業部会(SEQ:Standing Group on Emergency Questions)
2]石油市場問題常設作業部会(SOM:Standing Group on Oil Market)
3]長期協力問題常設作業部会(SLT:Standing Group on Long Term Cooperation)
4]エネルギー研究技術委員会(CERT:Committee on Energy Research & Technology)
5]生産国消費国関係常設作業部会(SPC:Standing Group on Relations with Producer and other Consumer Countries)(休会中)
この他に、IEAに対し助言、提言を行う諮問機関として、民間有識者からなる石油産業諮問委員会(IAB:Industry Advisory Board)及び石炭産業諮問委員会(CIAB:Coal Industry Advisory Board)が設置されている。
IEAの上記常設作業部会等の一つであるエネルギー研究技術委員会の主要検討課題は、
1]エネルギーR&Dの戦略
2]エネルギーR&D計画の国別審査
3]技術レビュー
4]優先分野における協力可能なエネルギーR&D共同プロジェクト事業の設定と運営
となっている。このうち4]の実施のためにCERTの下部組織として最終用途WP、化石燃料WP、再生可能エネルギーWP及び核融合WPの4つの作業部会(WP:Working Party)が設けられており、それぞれの作業部会は共同プロジェクトの審議、評価、承認等を任務としている。
各作業部会の下にある各種の共同プロジェクトは、以下に示す考え方を基本として運営されている。
1]プロジェクトについて、関心のある国のみが集まって進めることができる。
2]個々のプロジェクトの内容については、参加国間で協議され協定を締結する。
3]プロジェクトの実施運営に必要な経費は、参加国間において分担される。
本編に係る「自動車用先進燃料研究開発実施協定」及び「ハイブリッド・電気自動車技術・計画に関する協力についての実施協定」は、それぞれ上記共同プロジェクトの一つであり、最終用途WPの下にある。