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8 国内及び港域のすべての関係者、特に船会社、港湾当局、荷役関係者にとってIMDGコードに規定されている包括的及び複雑な隔離要件を遵守し、又は遵守していることを監視することは、ますます難しくなってきている。

9 独において専門家が、下記事項を考慮してIMDGコードの隔離要件を改正する作業を行った。

.1 危険物間の化学的/物理的反応

.2 実際上の経験

.3 損傷が発生する可能性

隔離要件を単純化する実現性について議論された。

10 危険物は、下記2の主な理由により隔離しなければならない。

・混合することにより化学的及び物理的に相容れない甚だしい危険性が生ずる危険物については、除外されなければならない。

・クラス1の爆発性物質及び物品のような危険物は、他の危険物により甚だしい危険性が更に生ずるような影響を与えられないようにしなければならない。

11 個々のクラスに対する一般隔離要件に加えて、450品目以上の危険物に特別隔離要件が課せられている。これらの隔離要件には、実際上正当化されていないものがある。その他本来隔離が必要であるが全く隔離要件がないものがある。

12 危険物は、物質固有の主危険性に基づいてクラスが割り当てられている。クラスを割り当てられているすべての物質が次のような物質との化学的/物理的反応の評価を含んではいない。

・クラス2.1、3、4.1及び4.2の引火性(可燃性)物質

・クラス5.1及び5.2の酸化性物質

・クラス4.3の水反応可燃性物質

理由として、クラスのみから危険物間において反応するかどうかを推論することは、不可能である。

物質の化学反応は、主に化学的分子構造及び物理的状態に基づく。これらは、個々のクラスで多いに異なる。

13 ある化学的分子構造を有する物質は、お互い危険を伴う程度まで反応する。このために隔離要件については、将来的にこれらの分子構造について十分に考慮しなければならない。

14 隔離規定がIMDGコードの個別スケジュールに記載されているすべての物質及びグループについて見直された。(付録2参照)隔離を要する物質が該当グループに割り当てられ、それらのグループの評価がされた。クラス1の物質については、評価を考慮していない。

IMDGコード総則第15節の一般隔離規定については、変更していない。隔離表15.1.16(現行15.1.17)は、見直さなければならない。隔離規定要件を評価する場合、個々の物質が混合する(漏れた場合)可能性及び当該危険物の物理的危険性を考慮する必要がある。

評価の結果、酸に関する隔離は、非常に危険性の高いもの又は容器等級I及びIIの危険物から選ばれた無機物の酸について言及している。

15 見直しの結果、混合した場合爆発を生じ、又は、吸入毒性を有するガスを生じる可能性のある物質を含む15グループ(2クラス)が定義された。物質の混合に関しては、同一のCTU内において物質問の距離を隔てることにより、又は、同一のCTUへの混載を禁止することにより防止できる。

特定の物質に必要な隔離(付録1参照)については、安全面の理由により変更せず規定として残すべきである。

(注)現行IMDGコード:

15.2.3 貨物輸送ユニット内の隔離

15.2.3.1 相互に隔離をしなければならない危険物は、同一の貨物輸送ユニット内に収納してはならない。ただし、「同一の船倉又は区画に積載することができる。ただし、水平距離で3m以上離すこと。」とされている危険物は、主管庁の許可を得た上で同一の貨物輸送ユニット内に収納して差し支えない。このような場合であっても、同等以上の安全性は必ず確保されなければならない。

16 クラス1同士混載する場合及び他のクラスの危険物と混載する場合におけるクラスの危険物に関する隔離要件(1.4Sを除く。)は、基本的に変更せずに残す。結果として、等級/隔離区分1.4Sに該当する多くの危険物の輸送が、規則上ある程度容易になる。爆発危険ラベルを貼らなければならないクラス4.1及び5.2と同様に等級1.1、1.2、1.3、1.5及び1.6の物質及び物品は、同一CTU内に他の危険物と混載してはならない。

(注)等級/隔離区分1.4S:

火災による輸送物の損傷がある場合を除き偶発的な作動による危険な影響が輸送物内部のみに限定され、火災による輸送物の損傷がある場合でもすべての爆風又は飛散物の影響が近接する消火その他の非常措置作業を妨げないように包装又は設計された物質又は物品

17 食品に関する現行の隔離要件は、変更せずに残さなければならない。

小委員会への要請事項:

 

 

 

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