5.1.3. 試験手順及び試験回数
円錐貫入試験に必要な試料の量や締め固め方法は、モールドの容積と関係する。仮に、モールドの内径を15cm、高さを18.86cm(容積3,333cm3)とすれば、試験手順としては以下のものが考えられる。
(1) 試料を約10kg抽出し、最大粒径が19mmとなるよう、篩い分けを行う。(最大粒径19mmの試料約4□が得られる。)
(2) 所定の方法で突き固めによる締め固めを行い、モールドに試料を挿入する。
(2-1) モールドにカラーを付けた状態で、剛な床の上に設置する。
(2-2) 試料を5層に分けて挿入する。所定のランマー(2.5kg - 30cm)を用いて、一層当たり50回の突き固めを行う。(この方法で、締め固め仕事量はProctor A(Standard Proctor法)に等しくなる。)
(2-3) モールドのカラーを外し、モールドの上部の試料を除去する。即ち、モールドの上面に沿って、ストレートエッジを用いて、試料を切り取る。
(2-4) 切り取った試料は、試料挿入の際に余った試料とともに、なるべく水分が蒸発しないように管理する。
(3) モールド内の供試体(締め固めた試料)について円錐貫入試験を実施する。
(3-1) 円錐の先端を供試体上面の中央に置く。(円錐の位置決め用の治具を用いることも考えられる。)
(3-2) 円錐の上面が供試体上面の位置になるまで、円錐を貫入させる。
(3-3) 1cm/secの速さで、10cm貫入させる。その際、円錐貫入力(最大値)を読みとる。
(3-4) 円錐貫入力を記録する。
(4) モールド内の試料を除去する。
(4-1) 円錐貫入試験装置を供試体から抜き取る。
(4-2) モールドの底面を外す。
(4-3) モールド(円筒)内の試料を除去する。
(4-4) 除去した試料は、同一の試料と合わせて、なるべく水分が蒸発しないように管理する。さらに、試料を攪拌する。
(5) (2)〜(4)の作業を [5] 回繰り返す。
(6) [5]回の試験により得られた円錐貫入力の代表値が、[??kgf] 以下であれば、その貨物は航海中に荷崩れを起こす可能性があると判定する。
5.1.4. 試験法草案の問題点
この案では、供試体を形成する際の締め固めのためのランマーの落下回数が計250回となる。こうした締め固め作業の量が現実的なものか否か、また、ランマーの落下回数を減じることが適当か否かについても、今後さらに検討する。
予備実験結果(3.6節参照)及びこれまでの円錐貫入試験結果から、最大粒径を19mmに調製した場合であっても、円錐の先端に塊が当たると、円錐貫入力が増加することが分かっている。円錐貫入力の代表値の取り方を決定するため、一つの試料について複数回の試験を実施し、円錐貫入力の分布を調べることも必要である。