第5章 荷崩れ評価試験法草案及び今後の課題
5.1. 荷崩れ評価試験法草案の検討
5.1.1. 荷崩れ評価試験法の概要
本節においては、現時点で明記できない部分もあるが、これまでに知見が得られた範囲で荷崩れ評価試験法について記述する。基本となるのは「篩い分け円錐貫入試験(2.4節参照)」であり、荷崩れ危険性から見た円錐貫入力のクライテリアは今後設定する。荷崩れ評価試験法の概要は以下の通り。なお、[ ] 内の数値については今後検討する。
(1) 試料を[??kg] 抽出し、最大粒径が19mmとなるよう、篩い分けを行う。
(2) 所定の方法で突き固めによる締め固めを行い、モールド(所定の試験用容器)に試料を挿入する。
(3) モールド内の供試体(締め固めた試料)について円錐貫入試験を実施する。
(4) モールド内の試料を除去する。
(5) (2)〜(4)の作業を [5] 回繰り返す。
(6) [5] 回の試験により得られた円錐貫入力の代表値が、[??kgf] 以下であれば、その貨物は航海中に荷崩れを起こす可能性があると判定する。
装置としては、以下の物が必要である。
(1) 円錐貫入試験装置
(2) モールド
(3) 締め固め器具(ランマー)
(4) 篩及び治具
(5) その他の器具
試験には、装置の準備及び片づけを別として、1]試料の篩い分けに要する時間、2]締め固めに要する時間、3]円錐貫入試験に要する時間、4]モールド内の試料を除去するのに要する時間等が必要である。各作業に要する時間の見積もりは今後の課題であるが、このうち3]円錐貫入試験に要する時間は、一回当たり数分であることが分かっている。
これらの作業のうち、円錐貫入試験以外は1名でも可能と考えられる。円錐貫入試験を1名で行えるようにすることについても、必要に応じて検討する。
5.1.2. 荷崩れ評価試験用装置
試験に必要な装置の概要は以下の通り。
(1) 円錐貫入試験装置
これまでの研究で用いてきた円錐貫入試験装置で良い。即ち、円錐の底面(上面)の面積が6.45cm2で、円錐貫入力の計測範囲が50kgf程度の装置であれば良い。なお、試験を1名で行うためには、試験装置のロッドにストッパーを備えることにより、試料の上面から10cm円錐が貫入した時点でロッドがモールドに当たって円錐の貫入が停止するようにすることも考えられる。