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図2.3.1. Pomalaa鉱の円錐貫入試験結果

 

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図2.3.2. Boakaine鉱の円錐貫入試験結果

 

図2.3.1に示したように、Pomalaa鉱では、最大粒径を19mmに調製した試料の円錐貫入力が、篩い分けを行わない試料の円錐貫入力の代表値(小さい方から10dataの平均値及び15dataの平均値に近い値を示している。これに対して、図2.3.2に示したように、Boakaine鉱では、最大粒径を19mmに調製した試料の円錐貫入力が篩い分けを行わない試料の円錐貫入力の代表値よりもさらに小さな値を示している。これらの図から、篩い分けを行わない試料で締め固めを定量化した場合の円錐貫入力と最大粒径を19mmとした試料の円錐貫入力の関係は、ニッケル鉱の種類により異なると言える。よって、締め固めを定量化しても、篩い分けを行わない試料に関する円錐貫入試験では、ニッケル鉱の種類によらない円錐貫入力のクライテリアを設定することは困難であると言える。

以上のことから、荷崩れ危険性を評価するための試験法においては、試料の最大粒径を調製する必要があると言える。また、昨年度の研究成果により、最大粒径を19mmに調製した試料を用いればニッケル鉱の種類によらない円錐貫入力のクライテリアを設定できる見通しが得られている。荷崩れ評価試験法における最大粒径としては、円錐貫入試験における円錐の大きさ及び粒径に基づく土や石の分類基準を考慮すれば、19mmが適当である。

 

2.4. 荷崩れ評価試験法の変更

以上の理由により、荷崩れ評価試験法としては、1]最大粒径が19mmとなるよう試料を篩い分けし、2]篩い分けした試料を用いて、円錐貫入試験を行うことが考えられる。

これまで、篩い分けを行った試料を用いての円錐貫入試験としては、荷役現場における篩い分けを行わない円錐貫入試験の補足実験として、約20〜30kgの試料を用いて、試料を持ち上げて床に落とす等の作業により空隙を少なくして円筒形の供試体を形成した上で円錐貫入試験を実施する方法、いわゆる「実験室円錐貫入試験」を実施してきた。しかし、日本冶金工業(株)大江山製造所において、この実験を見学してくださった方から、荷崩れ評価試験法としては、以下の問題点がある旨をご指摘いただいた。

 

 

 

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