(ロ) 「EmSの改正」作業の進捗状況に関するEmS WG 議長からの報告(DSC 4/3/3)については、ワーキンググループの検討結果を含め報告された。小委員会は、原則的にこれを是認しWGにDSC 5に向け引き続き作業を行うよう指示した。
(ハ) 「硝酸アンモニウム、酸化性物質、UN1942、容器等級III」へ積載方法規定を追加するカナダ提案(DSC 4/3/10)については、同じ特性を有する硝酸アンモニウム肥料、UN2067の積載方法規定「袋積め又はコンテナに収納された化学肥料の場合、緊急時、その貨物に出入りできる出入り口を通じて近づき易く、分解によって発生したガスや煙を排出できる機械通風装置を備えていること」と同じ規定を加える提案であり安全性を強化する提案である。本提案に対し蘭が支持し反対なく合意された。
(ニ) 「小委員会へE&TグループにIMDGコード様式替え作業の一貫として新コードへ国連危険物輸送専門家委員会で採択された包装方法(Packing Instructions等)を取り入れることを要請する。」英提案(DSC 4/3/13)については、国連勧告と整合性の取れていない事項について引き続きE&Tグループにおいて検討し必要があればDSC 5に提案することが合意された。
(ホ) 「貨物輸送ユニットの表示方法」に関する独提案(DSC 4/3/15)については、現行のIMDGコードの規定(総則パラグラフ7.3.3.2.4)を改正する提案である。日本は、本提案を採用すると収納される貨物の大部分が単一の危険物である場合(例えば、一個だけの非危険物が収納危険物に加えられた場合)から、その逆である貨物の大部分が非危険物である場合(例えば、唯一の国連番号を有する危険物がごく少量の場合)まで国連番号を表示しなければならないことになり、この規定本来の主旨から外れる旨を指摘した。
一方、対象危険物として「単一物品」を「唯一の国連番号が割り当てられている」に改正することに関しては、現行の規定においてもそのように解釈されており、表現がより明確になるので賛成する旨発言した。これに対して米国は、危険物及び非危険物の割合が50重量%以上の貨物輸送ユニットに国連番号を貼付することを提案した。蘭は、貨物輸送ユニットに危険物を10,000kg以上収納するユニットに国連番号を貼付することを提案した。ベルギーは、危険物を4,000kg以上収納するユニットに国連番号を貼付することを提案した。本提案は、原則的に合意され、危険物に関する重量制限を含める件については、E&Tグループに検討が委ねられた。