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(3)介護保険制度導入の影響

1995年に賦課方式をもって導入された介護保険は、ドイツにおける「社会的市場経済」理念のもとに実施されたおよそ最後の「社会的負担」とする対策だと言われている。そして将来、この他に考えられる改革があるとすれば、唯一「環境」(Umwelt)しかないと言われている。その場合、ドイツ社会が掲げる「社会的市場経済原則」は「環境にやさしい経済原則」と理念は移行するだろうと言われている。これは環境対策を掲げる「緑の党」(Die Gr nen)のみならず、キリスト教民主同盟(CDU)そして1998年秋政権を推った社会民主党(SPD:シュレッダー首相)も環境問題に強い関心を示しており、経済界も環境問題には真剣に取り組む姿勢が窺えるえるからである。

一方、ドイツの社会的市場経済原理に基づく社会システムに関してはすでに最高水準に達しており、今後はマイナスの方向に向うとの意見もある。

図表4は、「社会国家をいかに維持すべきか?」と聞いた世論調査結果である。左派と見なされている政党の社会政策に関わってきた者でも、社会制約や規制をこれ以上増やすことには反対している。むしろ、ドイツ全体の傾向としては、従来の社会政策による給付、援護、そしてそれに関する規律を縮少するか、または少なくとも「合理化」する方向を望んでいると言える、そしてこれらの世論の背後にはドイツの「社会給付能力」に関する国民の認識があると思われる。

 

図表4 社会国家をいかに維持すべきか?

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資料:Die Zeit,1998

 

 

 

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