5. 今後の展望-対策、提案
はじめに見たように、ドイツ社会の高齢化は2025年から2030年をピークに深刻になるものと予測されている。高齢化社会の持つ共通の特徴である少子化、後期高齢者の増加、単独世帯化が進み、そして社会一般には脱職化、女性化などが依然と続くものと見られている。
そのようななかで、現在100億マルクの黒字を出している介護保険もその料率が次第に引き上げられると予想されており、今の1.7%から2.4%(Deutscher Bundestag : 13, 53頁参照)、ないしは2.7%(Βreyer参照)にもなると推計されている。図表42は保険料率上昇を現金給付対現物給付を50:50、そして80:20と仮定した場合の推計である。したがって、今後財政収支に支障が起きてくると、済んでいたはずの原則論的な議論も復活してくると思われる。古き新しい政治的論点として次のような諸件が論ぜられると考えられる。