〈医師等の評価〉
次は医師による評価だが、ドイツでは「かかりつけ医」や「家庭医」の意見を要介護認定の場合に考慮しないので、高齢者を多く患者に持っている医師に、「あなたの意見を聞かれないで遺憾ではないか」と聞いたところ、彼の答えは「聞かれないで有難い。患者は普通、高い程度を要求する。もし私が低い程度しか認めないと、患者は他の医師に移ってしまう」ということであった。しかし、彼は、戦争経験者などで、いまだにモノをもらうのが恥ずかしく思ったり、遠慮がちな高齢者には進んでアドバイスを与えていると言っていた。また、彼は介護保険の短所として、痴呆性のある老人や一日中淋しく車椅子に座っている者が対象になっていない(落ちこぼれが多い)と指摘している。
〈要介護者を抱える家族等の評価〉
最後に、家庭における介護者、要介護者の意見を幾つか紹介したいと思うが、それはそれぞれに千差万別、十人十色である。しかし、介護保険導入そのものについては、