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ニーズ認定の機能を独立させることは、供給側の事情(資源不足等)に左右されることなく、客観的な認定が可能であるという利点があり、援助を受ける側の権利保障という点では好ましい制度である。さらに、事業の運営委託が複雑になった場合でも、公共が客観的なニーズ認定を行なっていくことは、援助を受ける人たちの権利を守るうえで重要である。

ニーズ認定にあたってもっとも重視されるのは、社会サービス法が強調するように、援助を必要とする人々のニーズを、生活状況全体から総合的に把握することである。また、援助の提供にあたって重要なのは、総合的に把握されたニーズにもとづいて、援助を受ける人の生活力が強化され、自立した生活が可能になるように、援助を形成しなければならないことである。自己決定、人格の尊重、自立、社会参加などが中心に据えられる。したがって、ニーズ認定に際して要求される基本的な視点は、「現状で何ができないか」ということではなく、援助の提供によって「何ができるようになるのか」、「自立した生活がどれだけ可能になるのか」ということである。また、ニーズの変化が往々にして起こるため、ニーズ認定は定期的に再評価される。再評価の時期は、最初のニーズ認定の際に計画される。痴呆性高齢者に関するニーズ認定は、厳密な医学的診断と社会心理学的調査を前提にして行なうのが普通である。

スウェーデンの高齢者ケアの、最も重要な原則は、高齢者が出来るかぎり長く自宅に住み続けられるよう、援助をする、ということである。なぜならば、施設というのは、人間にとって最もふさわしい住まいの場ではない、ということが、今までの経験を通して明らかにされてきたからである。施設に住む高齢者の数が減ったのは、この原則の実践の結果であるといえよう。したがって、老人が、自宅に住み続けられるよう援助するということは、より人間的なケアを目指す、という点から、そしてまた、経費的な観点からも、重要な意味を持つものである。

 

 

 

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