(1) レベル1(プライマリーケアベース)
地域医師は原則として関与せず、地域看護婦と准看護婦によって行なわれる訪問看護サービス。
(2) レベル2(プライマリーケアベース)
地域医師と地域看護婦の連携によって行なわれる、定期的な在宅医療サービス。夜間・深夜パトロールとの協力を必要とする。最近は、専門医療との連携(専門職員による相談・助言、および緊急時の入院受諾)により、後述する専門医療ベースにおける在宅医療と同程度の医療サービスがプライマリーケアベースでも行なえるようになった。
(3) レベル3(専門医療ベース)
24時間を通しての在宅医療と高度な医療技術を必要とする専門医療サービス。対象となるグループは、ガンの末期患者および入医療は必要とせずかつ在宅医療を希望する重度の患者である。したがって、対象となる患者は在宅医療病棟の患者として登録されており、常時入院可能である。病院医師や病院看護婦が常時必要なときに対応できる態勢にある。
在宅医療チームは、プライマリーケアベースおよび専門医療ベースを合計して、96年の時点で約50チーム存在している(そのうち18は、ストックホルム県コミューンの属する)。在宅医療チームは、普通、1)地域医師、2)主任地域看護婦、3)地域看護婦、4)准看護婦、5)医療ソーシャルワーカー、6)理学療法士、7)作業療法士および8)事務職員で構成される。
また、必要な場合には、腫瘍科の専門医その他の医療専門職員からスーパービジョン(専門的指導)を受けることができるような態勢がとられている。プライマリーケアベースの在宅医療活動は、専門医療を供給する病院との連携のもとに行なわれる場合が多い。在宅医療の中心となるのは、乳幼児から高齢者までさまざまであるが、高齢者が過半数を占める場合が普通である。在宅医療事業の経費は、病院医療経費の約3分の1である。
現在のプライマリーケアは、夜間診療や深夜の対応が可能な態勢をとっているので、心臓発作などの高度な病院医療を必要とする場合でないかぎり、救急指定病院に駆け込む必要はなくなってきた。また、徐々にではあるが、プライマリーケアと専門医療の連携が強化されてきており、在宅医療で対応可能な範囲が広がってきている。さらに、末期患者に対するケアの供給が十分に可能な在宅医療チームが存在することによ