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また、訪問看護や巡回医療など、プライマリーケアをベースにした在宅医療サービスも拡充されてきている。充実したプライマリーケア・サービス、住宅改造サービス、補助器具サービス、ホームヘルプサービスなどの総合的対応が、高齢者や障害者の自宅での生活を可能にしてきた。しかし、伝統的に医療資源が病院に集中されてきたために、地域医師数はまだ医師総数の20%にしか及んでいない(表6)。

 

表6 公共保健・医療部門における医療専門職員数(1994年)

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小児保健センターは就学前児童の定期検診、予防接種、障害の早期発見などの健康管理や、子育て相談を提供する。助産婦と婦人科医が中心になる母親保健センターは、妊婦の妊娠中の定期検診や健康管理にあたる。小児保健センターと母親センターによるサービスは無料である。

プライマリーケアでは不十分であり、精密検査や手術、専門医の診断や治療を必要とする場合は、全国にある80の県立病院と10の管区病院によってサービスが提供される。たとえば、救急医療、痴呆症の診断や老年専門医学を必要とする治療などがあげられる。管区病院は高度な病院医療の技術と人的資源を備える他、教育や研究活動も行い、いわゆる大学病院の機能をもつ。

 

 

 

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