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老人ホームに入所している重度要介護高齢者は二大都市のなか少なくとも各1,729人と678人がいる。しかし、この数字はすでに栄民の家或いは養護老人ホームに戸籍を入れた高齢者及び重度要介護高齢者で養護老人ホームに入所しており、面接に応じられない高齢者は含まれていない。いったいこの二大都市現有の高齢者福祉施設だけで要介護の一人暮らし高齢者を全部入所させることができるのかという問題については、施設福祉の提供の節にて述べたいと思う。

機能障害者が家で誰に見てもらっているかというと、ある全国的高齢者の家庭介護者の調査結果によると(呉淑瓊、1998)、配偶者、嫁と子供は各1/3を占めている。その中介護している者について、女性は全体の7割で、介護者の1/4は65歳以上の高齢者で、介護者の大多数は要介護高齢者と同居している;介護者の1/3は常勤の仕事、 1割はパートの仕事を持っている;介護歴について1/2は5年以上、約1/4は10年以上である;17.6%の介護者は介護のため仕事を調整している、23.8%は、仕事を辞めた。このデータから高齢者介護か仕事かの葛藤がうかがえる。要介護高齢者の家族に代って援助サービスを提供する一たとえば在宅サ-ビス、コミュニティケア等は必要であろう。

 

(2)経済扶助

台湾では一般的に高齢者の生活費用は主に子供が提供している。しかし、台北市の場合は主に本人か配偶者の収入、終身俸給、退職金、貯蓄、家賃と利息等でまかなっている。内政部1996年「老人状況調査」によると、65歳以上の高齢者の毎月の生活費の出所のなか、子供からもらっているのは、台湾省では51%、台北市は33.3%、高雄市は49.8%(表4)

 

表4 1996年台湾省・台北市・高雄市の65歳以上高齢人口の生活費用出所の比率

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