これらの変遷は、人ロが都市と近郊に「流入」、「流出」する過程を明確に表わしている。つまり、移入人口は最初市の中心部に吸収されるが、その次に来た人口は市中心の周辺地域に入る、と同時に中心部の人口は近郊に流出を始め、人口が流出する範囲が次第に拡大されて、全市に及び、都市人口社会減少の時期に入るが、都市近郊の小市はまだ人口吸収力が強く、社会増加が継続する。その内に、近郊地域も人口飽和状態に達し、大都会区の人口社会減少を来たす。この人口移動の過程は、大きく都市人口の高齢化に影響する。何故なれば、最初都市に吸収された青壮年人口が時間の経過に伴って高齢化する以外、都市中心部の青壮年人口が近郊へ流出することによって、都市中心部の高齢化が促進される。その反面、これは又都市近郊地域の人口の青壮年化を助長するからである。