2. 都市人口高齢化の要因
台湾人口の高齢化は、人口転換の結果によるが、都市人口の高齢化は、人口移動によって複雑化されている。
台湾地域型態別特殊合計出生率を見ると、「市」が一番低く、「鎮」がこれに次ぎ、「郷」が最も高い。 しかし、「鎮」と「郷」の差は小さい。この特殊合計出生率は、1961年から1985年の24年間に約65%減少した。減少の速度は三つの地域型態とも各同じ位であった。それで、その高齢化の速度も類似している(表8参照)。又平均余命を見ると、都会地域が非都会地域よりも約三歳程高い。それで、自然増加による高齢化は、都市の方がその外の地域よりも速い筈であるが、都市とその近郊は、農村から多数の青壮年人口を吸収することによって、高齢化の速度が緩められた。しかし、最近若干の都市人口の高齢化が急速に進んでいるのは、早期吸収した青壮年人口の高齢化と、都市人口高密度化、地所暴騰や住宅問題等による若い層の郊外への移住によるものと見られる。