(9)救助する場合の注意事項
一刻を争う救助作業は、双方共、興奮と混乱を伴います。特に機関の発停には十分注意して下さい。
?発見時の注意
漂流者を発見した場合、直ちに方位(自船の進路)を確認し、見張りを厳重にして見失わないよう注意します。特に夜間や波の高い時は十分注意して下さい。
?接近する時の注意
速力を減じ安全な距離で一旦停止して距離感をつかみ漂流者に接近します。接近後漂流者の状態及び要望事項を確認し、救助方法等を決定します。
?救助方法
救助の一般的方法は、ロープ付救命浮環を漂流者至近に投げ入れ、舷側まで引き寄せ救助します。怪我人及び体力の消耗が著しい者の救助は、海中に入り必要な援助を行います。
?機関の発停に注意する
救命作業中は、原則として機関を停止します。やむなく機関を使用する場合は、十分安全確認を行い、推進器への巻き込みに注意します。
救助作業は出来るだけ船尾付近を避け、船体中央から船首付近で行って下さい。
?応急手当て
怪我人及び体力の消耗が著しい者を救助した場合、傷病の悪化を防ぐため適切な応急手当てを行う必要があります。手当ては病院等に搬入あるまで応急措置にとどめ、医療機関の指示なしに医薬品の使用は控えます。
重症者に対する応急手当ては、傷病者の状態を良く観察し、救助機関等を通じ医療機関の指示を受け実施します。素人判断による措置は危険です。
『釣れる歓びが悲涙に変わる』
凪いでいるときの海は、いかにも雄大で平和な印象を与えているが、ひとたび荒れ狂ったら様相は一変する。海の男たちは、時化の不気味さや恐ろしさを取り上げ、体験者は語り、そして自らも体験し、知り尽くしている。
海の荒れてくる前兆に関しては驚くほど敏感で、海上の僅かな変化も見落とさず、確実に時化がやって来ることを知る経験者が多い。
*アジが、入れ食いすると荒天になる
*大物が釣れたときは、天気の崩れが早い
*マグロは嵐の前によくとれる
*大物が釣れた翌日は悪天候となる
*海水が濁りて潮流急なれば、近日中に暴風あり
*海底が濁れば近く時化あり
*海水に泡多く浮くときは暴風の兆し
*海上にすな浮けば大風あり