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(4)機関室の消火

 機関室火災の主な原因は、機関室内での火気取扱不注意(裸火の使用・くわえ煙草等)と、振動による燃料パイプの亀裂及び取付部のゆるみにより、燃料油が熱せられた排気管等に漏れ、火災になる例が多いようです。
 また、電気系統の故障によるショート(電気火花)も火災の原因となります。

?直接消火

 油類が覆い機関室の火災は、瞬時に火勢が拡大し、消火作業が困難となる確立が 非常に高いので、迅速的確な初期消火が必要です。
 消火作業の初期段階では、消火器を集中的に使用して火勢を鎮圧します。
 火元の確認が出来たら、濡れ毛布等で火元を覆い、その上から集中的に放水する方法が効果的です。

?密閉消火

 火勢が激しいほど燃焼には空気を必要とします。比較的空間の少ない小型船の機関室では、密閉消火(空気遮断)の効果も期待できますが、船体材質がFRPの場合、燃焼速度が早く室内隔壁等に破孔が生じ、外部から新鮮な空気が流入して密閉消火が困難となる事態も予想されます。密閉消火を実施する場合は、これらの点に十分留意し、外壁の冷却放水等の措置を併せて行います。
 第一段階の初期消火に失敗し、火勢鎮圧が不可能となった場合に密閉消火を試み、隔壁等に破孔が生じた時は、濡れ毛布等で破孔を覆い、外部から冷却放水を行う方法も効果があります。
 密閉消火し、外部より冷却放水を行う

 

 

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